2024年 3月 19日 (火)

若手でも評価が収入に響く時代 しどろもどろで上司は務まらぬ(高城幸司)

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   職場の上司は人事評価で部下の昇給やボーナスを決めることが可能。だからこそ、できれば部下は上司から高い評価をもらいたいと考えます。

   ところが「いくら頑張っても評価を上げてくれない」と、上司に不信感を抱いている部下は少なくありません。とくに最近は、若手社員でも評価に応じて給与やボーナスが大きく変わる場合もあり、それゆえ「上司の評価」に対する目は厳しくなってきました。

部下との溝はなぜ生まれるのか

上司には部下を納得させるマネジメントが求められる
上司には部下を納得させるマネジメントが求められる

   この、評価によって差をつける考え方がご存知のとおり「成果主義」と呼ばれるもので、2000年前後から日本の会社に続々と導入されてきました。結果として若手社員のなかにも給与や処遇の格差ができ、同期の給与明細が気になる状態になってきました。だから、気になるのは評価する上司の目。管理職や中堅社員だけでなく若手社員も「自分の努力は評価されるのか」を気にする意識は高まるわけです。

   ところが、若手社員の自己評価と上司の評価には大きなギャップがあり、お互いの人間関係に溝が生まれているとの話をよく耳にします。では一体、何が溝を生んでいるのでしょうか?

   取材した食品メーカーに勤務するSさん。この半年を振り返れば、前期に上司から頻繁に注意された資料作成の納期遅れもなくなり、逆に「よくやった」と褒められたことも数度ほど。また、自分なりに仕事を通じて成長を感じているタイミング。さらに「上司とすり合わせた目標が大方クリアできた」と、前回のB評価からA評価に上がることを期待していました。

「この半年間でいくつかの成長がみられたと評価している」

と、上司が面談で切り出した言葉からもよい手ごたえを感じていたところ、それに続く言葉は意外なものでした。

「......なので、今回の評価はBとなった」

   なんと、前回と評価は変わらず、B評価。Sさんはフィードバックに愕然とし、上司に質問しました。

「当初に決めたことは全部クリアしたはずなのに、前回と同じ評価とは納得いきません」

   すると、上司から以下のような回答がありました。

「前回はB評価のなかでは低いほうだった。けれど、今回はB評価のなかでも高い部類になっている。だから、同じ評価ではない」
高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
株式会社セレブレイン
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