2024年 4月 24日 (水)

「だ・である」で書いていいか 【エントリーシート2】

敬体を推す就職サイトも

   どちらの検索にも上位で引っかかるのが、キャリアパーク、内定塾、就活塾(キャリアアカデミー池袋校)です。

   キャリアパークは、敬体派。

「エントリーシートを書く応募者のほとんどは、新卒の就活生か、転職希望者です。就活生の場合、目上・年上の相手に向けて書いていると考えて間違いありません。であれば、『です・ます』の丁寧語を用いた敬体を選択するのがベターです。実際のエントリーシートで多いのも、丁寧語でしょう」

   内定塾は中間派です。

「どちらが正しいという基準はありません」

   就活塾も中間派。

「どちらの文体を選ぶかは、あなたの自己ブランディングの方向性で決まると言えます」

   いろいろな個人手記に当たると敬体派、常体派のそれぞれに分かれます。

   敬体は、敬語を交えるわけですから、柔らかいイメージを出すことができます。そこで、就活塾は、

「リーダーシップをアピールしたいなら常体、サポート力をアピールしたいなら敬体」

と使い分けを勧めています。そうかなあ?

   なんとなく、そういうものかと納得してしまいそうな言説でもあります。これを敷衍すれば、「総合商社などは常体、金融や一般職なら敬体」という言い方も可能でしょう。

   とはいえ、その学生にリーダーシップ能力があるかどうかは、書かれている内容で判断するしかありません。敬体だからリーダーシップをアピールできないなんてバカな話はないでしょう。その逆も同じです。

   そういうことを考えあわせると、学生の皆さんがそれぞれ書きやすい文体で書けばいいのでは、という中間説を私も支持します。

   それでも悩んで決められないというのであれば、常体をお勧めします。企業側が「敬体でないから落とす」なんてことはまずありえません。同じ文字数で情報量が多いわけですから、常体でいいでしょう。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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