部下同士仲が悪い、羨ましいね 「公平」の一事を忘れなければ(江上剛)

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「部下と部下が仕事で競い合うあまり、仲が良くありません。上司の私はどのようなスタンスを取ればいいのでしょうか」

   勝手に競わせればいいんじゃない。心配することなんかなにもない。世の中の上司の多くは、あなたを羨ましがるんじゃないかな。俺の部下もライバル心むき出しで、働いてくれないかなってね。

  • 部下と部下が角突き合わせるとき、上司は……
    部下と部下が角突き合わせるとき、上司は……

仲間ではあるが友人ではない

   営業所にグラフを張り出して競い合う会社も多い。どの会社も部下をどうやって競い合わせようかと苦労しているわけだ。その苦労をしなくてもいいなんて、あなたはどれだけ幸せな上司なのだろう。何を悩むことがあるのか。

   仲が良くない? 会社って友情を育むところなのか? 会社にいるのは友人じゃないでしょう。

   そりゃたまたま会社で席を同じくして、終生変わらぬ友情の絆を結ぶ人はいるだろう。しかしたいていは同僚であり、ライバルであり、仲間ではあるけれど友人ではない。

   おたがい競い合い、蹴落とし、どちらが早く出世するか、どちらが多く給料を取るか、毎日、勝負しているのが職場じゃないのか。部下同士、仲が良くなくて当然なんだ。

   では、あなたはどんなスタンスを取るべきか? それは公平ってことじゃないかな。

   戦国時代は、それぞれの武将が戦功を競い合った。同じ大将の下であっても敵への先陣を競い、敵の大将の首を誰が早く獲るか死に物狂いで競い合った。

   そして戦いが終わると、大将の前に敵の首を差し出した。首実検だ。より高い地位の敵の首を獲ってきたものに多くの報奨金、領地などが与えられた。

   その時、大将が心掛けたのは、公平の一言。公平でなければ、論功行賞に不満が噴出し、それが原因で次の戦いで負けてしまうからだ。部下の不満を抑えること。これこそ大将が最も気を使ったことだ。

   それは今も変わらない。

ふやけたことを考えるようでは......

   あなたは、部下に対して好き嫌いではなく、実績を公平に判断して論功行賞を与えることに気を遣えばいい。

   勝利者には公平に論功行賞を与え、敗れた部下には温かい励ましの言葉を与える。これだけでいい。これで部下はあなたに付き従うだろう。

   もしあなたが依怙贔屓(えこひいき)をしているとみなされると、部下は離反し、あなたに反逆するかもしれない。

   もう一つ、「どのようなスタンスをとればいいのか」などとふやけたことを考えるようじゃダメ。そんな弱い大将の下では部下は心置きなく働けない。あなたはドーンと構えていなさい。(江上剛)

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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