来年度の保育園入園の選考結果が届く時期となり、ネット上には「♯保育園落ちた2017」という投稿が相次いでいる。出産後、復職を考える女性にとっては悩みが果てないが、復職へのひとつの追い風である「在宅勤務」を認めている会社は、まだまだ少ない。「トップがビジョン持っている!」そんななか、「毎日でも在宅勤務OK」というニュースが報じられた。2017年2月4日付朝日新聞の記事によると、カルビーは4月以降、自宅など社外で勤務する「テレワーク」の上限日数(現在週2日)を撤廃するという。制度として毎日でもテレワークができるようにし、多様な働き方を認め、優秀な人材を確保するねらいがある。契約社員を含めた入社3年目以上の社員を対象とし、パートや工場勤務の人は除外となる見通し。このニュースに対し、ツイッターでは「羨ましい!」「カルビーの在宅勤務いいな?」「女系活用系でカルビーの記事を読んだ事あるけど、トップがきっちりビジョンを持っていてかっこいい」「羨ましいといったら良くないけど、カルビーの新制度、ママになってもバリバリ働けそう。イメージと現実。在宅勤務はちょびっと羨ましい」「心からそう思うので、ポテトチップスはカルビーを全力で買う!^^」と歓迎する声が相次いだ。ジャーナリストの治部れんげ氏は、「ダイバーシティーが嫌いな会社に未来はない」と題した松本晃カルビー代表取締役会長兼CEOの講演の一節、「男性管理職が『在宅ワークなんて進めたら、絶対にさぼる奴が出てきます』と言ってきたのです。それで僕は言いました。『きみは会社に来てさぼっている』と」を紹介し、「しびれます。ホントにその通り」と賞賛の声を寄せた。「点数制」では不利否めずただし、手放しで喜ぶ人ばかりではない。「『会社に来なくても良く、仕事はどこでやっても良い』と、成功する人と落ちぶれる人がはっきり別れる」「完全成果主義制度。厳しい」「仕事の中身よく知らないけど秘密保持のあたりとかってどうなってるんだろう」「在宅勤務は公私の区別がつかないとキツいよ。すぐに怠けちゃうからね。やっぱ他人の視線は大事だよ」など、導入後想定される状況に冷静な目を向ける発言者もいた。「在宅勤務」が認められると「保育園に入りにくい」という問題も発生する。保育園の入園条件に「点数制」を採用している自治体では、居宅外のフルタイム勤務が満点。時短勤務、自営業となるにつれて、基準点が低くなる。両親ともフルタイム勤務でも都内の保育園激戦区では「保育園落ちた」となりうるのが現実だ。在宅勤務者にはなおさら不利である。では、子どもを保育園に入れずに在宅勤務するのは、どうだろうか。元気を持て余す幼児の世話をしつつ仕事をするのは、とてもではないが無理だ。現にツイッターを見てみても「在宅ですが、仰る通り無理です。幼稚園行っている間に仕事終わらなかったら、子どもが帰ってきてからも少し仕事するのですが、ママ遊んで~、おやつ~、トイレ~、ご飯~と、仕事になりません。0~2歳ならもっと大変。寝る時間削るしかなくなりますね。家庭内ブラック企業...」「在宅勤務なら子どもの面倒見ながら仕事できるでしょ、と言う世間の目は本当改まって欲しいです。特に0-2歳児は無理。昼寝してくれてる間に集中して仕事するくらいしかできませんよね...。企業の育児支援、もっと方向性変えて良い案がでてくると良いですよね」と、在宅勤務拡大は保育園不足への対策にはならないと訴える意見ばかり。企業の多様な働き方への取り組みと、自治体などの待機児童解消の取り組みの両方が前進することを望みたい。(KM)
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