2020年 7月 7日 (火)

受験エリート社長の面目丸つぶれ 英語ペラペラの息子に教わったこと(大関暁夫)

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幹部が経営に無関心、その原因は?

   ここまではよくある英会話スクール入学きっかけ話なのですが、さすがベテラン経営者のYさん、恥を忍んで突然この話を皆にしたのには少しばかり深いわけがあったようです。

「この英会話学校って、1回の時間は30分とものすごく短いのです。ところが至って少人数。時にはマンツーマンってこともある。テキストなんてなんもなし、あるのは外国人講師との英語のみの会話だけ。しかも教えてくれるというよりは、話しかけられてこちらがそれに答えていくのだけど、これが不思議と身について上達していく実感があるのです。それを感じると同時に、じつはものすごく反省もさせられちゃったのですよ。うちの幹部が、いくら口うるさく言っても経営に無関心なのは、僕が原因じゃないのかと。英会話だけじゃなく、僕は仕事でも知識偏重で、育ってほしい幹部とのかかわり軽視だったのじゃないか、とね。これって、もしかして受験校育ちの悪弊かなと思わされました」

   はじめはYさんの英会話スクール入学を茶化していた周囲も、神妙な顔つきでYさんの話に聞き入ります。

「簡単に言うと、机上の勉強はそれなりに重要だとはしても、現実社会はそれだけで通用するほど簡単なものじゃない、その点は英会話も組織運営も同じなんじゃないか、って。僕は幹部社員に名著と言われるビジネス書やビジネス誌とかをもっと読むように言っているのですが、それは知識の蓄積にはなっても現実の企業経営に関心を持って前向きに取り組むようになるには、もっと違う何かが必要なんじゃないかと思いました。すなわち自分の日常は、英会話ならぬ経営会話が足りていないのじゃないか、と思ったのです」

   英会話スクールは知識の蓄積を求めるものではなく、質問と回答という自然なやり取りの中から身になるものを生み出していく、そんな行程での英会話上達の実感は経営者であるYさんの心を揺さぶったようでした。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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