2024年 4月 20日 (土)

その33 都会のカラス 「こんなものいらない!?」(岩城元)

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   何かで徹夜した朝、東京の飲食店街を歩くと、頭上を「カァ、カァ」と飛び回るカラスたちに驚かされる。

   どれも結構大きくて、飲食店から出されたゴミ袋を狙っている。あのクチバシで顔でも突つかれたら、と怖くもなる。

  • 早朝、高い場所から「食料」を探すカラス。(東京・池袋で)
    早朝、高い場所から「食料」を探すカラス。(東京・池袋で)
  • 早朝、高い場所から「食料」を探すカラス。(東京・池袋で)

東京はカラスにやさしい?

   僕は中国で十数年、日本語を教えてきたが、教え子たちが初めて日本に来てまず驚くことのひとつは、カラスの多さと大きさだ。中国にもカラスはいるが、数は少ないし、ずっと小さい。そして、カラスは「不吉」の象徴にもなっている。

   カラスが大好きで、「カラスの教科書」「カラスの補修授業」(ともに雷鳥社発行)の著書がある松原始・理学博士によると、カラスにもいろいろ種類があるが、日本に多いのはハシブトガラスとハシボソガラスで、東京都内では体のでかいハシブトガラスが威張っている。

   ちなみに、「ハシ」は「クチバシ」のことだ。

   そのカラスが夜明けの東京でゴミ袋を漁るのは、何もカラスが悪いのではない。人間にとっては袋の中身が「ゴミ」であっても、カラスにとっては立派な「食料」なのだ。食べたいのは当然である。

   だから、人間側としては、カラスにそうされないように工夫すべきなのである。松原博士によると、もっとも簡単な方法はゴミ袋に目の細かい網をきちんとかぶせること。「物理的にカラスがゴミに触れない状態にする」だけである。

   次は「ゴミバケツ」そして「完全に覆われたゴミ置き場」だそうだ。僕が早朝、東京の池袋、銀座、新橋の飲食店街を歩いた限りでは、網さえかぶせていない無防備なゴミ袋が目立った。

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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