その40 ペットの衣装 「こんなものいらない!?」(岩城元)

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   わが家の近くを散歩していると、色鮮やかな衣装を身につけた犬たちをよく見かける。ときには帽子をかぶっている。バギーにちょこんと座っていることもある。

   こういう犬を連れた飼い主たちは心なしか、得意そうである。部屋の中で過ごすことが多い猫たちにも、同じような衣装がちゃんとあるようだ。

  • 台湾にも衣服を着せられた犬がいた。(2018年1月、台北で)
    台湾にも衣服を着せられた犬がいた。(2018年1月、台北で)

犬や猫は「窮屈な思い」をしていないか?

   しかし、衣装とか衣服とかいうものは本来、人間が体を暑さ寒さなどから保護したり、おしゃれして着飾ったり、あるいは社会的な地位を表したりするために発展させてきたものである。

   一方、犬や猫はその体を覆っている毛皮だけで十分で、衣装・衣服を身につける必要はまったくないはずである。

   それなのに、毛皮の上に恐らくは無理やりに着せられて、窮屈な思いをしているのではないか。それだけでなく、「新陳代謝」に何か悪い影響でもありはしないだろうか。そうであれば「虐待」である。

   飼い主は「よけいなお世話だ」と言うだろうが、心配になってくる。

   僕が子供のころ、わが家には犬も猫もいたが、連中には家族の一員としての「役割」があった。犬の役割は外敵から家族を守ることであり、怪しげな物音を聞きつけると、よく吠えた。

   猫のそれはネズミによる被害を防ぐことであり、押し入れの奥からネズミをくわえて出てきたりした。ネズミだけではなく、庭先でヘビを見つけたら、飛びかかっていった。

   役割を十分に果たしている犬や猫には、それなりの「尊厳」も備わっていた。家族は連中を可愛がってはいたが、「ペット」という考えはなかった。ましてや、衣装・衣服を着せようなどとは、思ってもいなかった。

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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