2024年 4月 19日 (金)

「素材」の強さはホンモノ! 旭化成、好決算なのにどこか残念なワケ?(石井治彦)

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   いまや世界中の自動車メーカーが「自動運転」システムの開発競争にしのぎを削っている。自動運転システムは、ドライバーの安全運転と運転操作の負荷軽減、また歩行者の安全を守ることを目的とする。部品や素材、技術をはじめ、そこに携わるメーカーのすそ野も広い。

   最近は先行して、公共交通のバスやタクシーなどが積極的に取り入れているが、走行エリアや速度、道路環境などの特定条件の下での運行に限っている。とはいえ、後戻りはしない。これからが「本番」の成長著しい分野なのだ。

  • 旭化成の「セパレータ」はリチウムイオン電池のキーデバイスだ(画像は、旭化成のホームページから)
    旭化成の「セパレータ」はリチウムイオン電池のキーデバイスだ(画像は、旭化成のホームページから)
  • 旭化成の「セパレータ」はリチウムイオン電池のキーデバイスだ(画像は、旭化成のホームページから)

成長著しいEVに不可欠な「アレ!」を製造する会社

   そんな自動運転について、2018年4月18日付の日本経済新聞で、「官民でEV次世代電池 トヨタ・パナソニック 、経産省支援 高効率、簡単組み立て」の見出しを見つけた。「全個体電池」と呼ばれる高効率の製品の開発で、官民が協力するという。

   電気自動車(EV)向けの次世代型電池の開発で、経済産業省やトヨタ自動車、旭化成、パナソニックといった自動車や素材、電機大手が、5月から協力する。

   主流となっている自動車用電池は現在、中国などにシェアを奪われつつあるそうで、EVの本格的な普及を見据えて、「次世代型の開発を早めて巻き返す」とあった。その次世代型が「全個体電池」ということらしい。

   EVのバッテリー向け電池材料など、モノづくりにかかせない部品、素材などの分野では、日本企業は依然として高い技術力を有している。そんな素材を取り扱う企業の一つに、「旭化成」がある。

   電池材料は大きく、正極材と負極材、セパレータ、電解液の4つに分かれており、旭化成は「セパレータ」に強みを持つ。

   このセパレータは、リチウムイオン2次電池のキーデバイス。通常時の電池機能に加えて、異常が発生すると正極と負極を絶縁する機能がある。かつ、電池に圧力や膨張、捻じれなどの異常が生じた場合や電池内に高温が発生した場合、またリチウムイオンの流れを遮断した後に電池内の温度が上昇した場合に、電極間のリチウムイオンの流れを遮断して、安全に電池を止めることができる役割を持っている。

   こうした機能を担うセパレータにおいて、旭化成はシェア50%を占め世界一(日本政策投資銀行調べ、2013年版)という。

石井治彦(いしい・はるひこ)
   1970(昭和45)年に大学卒業後、自動車大手に勤務。リース販売を手がける。投資歴は実質25年。入社後にユーザーと接するなかで得た情報と自分の知識で、最初のボーナスをもとに株式運用を開始。しかし、78~98年の20年間は投資する余裕がなく、休止に。それが幸いしてバブル崩壊の痛手は軽傷だった。ただ、いつでも動けるよう、日本経済新聞をはじめ経済誌などには目を通していた。
   「現物株式取引」と「長期投資」が基本姿勢。2011年の退職後は少しの小遣い稼ぎと、興味をもって経済誌を読むために株式を保有している。現在、14の銘柄で、1万3800株を運用。東京都出身、69歳。
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