2018年 6月 23日 (土)

メルカリ、古着屋大好きな私...... 経済成長に貢献しなくてすみません!(北条かや)

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   内閣府が先月(2018年5月)、発表した2018年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比マイナス0.2%、じつに3年ぶりの減少となった。

   ガソリンや食品などの値上がりで、GDPの6割を占める個人消費が低調だったこと、数年続いた「タワマンブーム」がひと段落し、住宅投資が落ち着いたことなどが要因だ。3年ぶりのマイナスで、「すわ景気回復にストップか」との声も聞かれる。

  • 古着屋、大好き!
    古着屋、大好き!

「景気回復に貢献しない女」

   こういう話を耳にすると、つくづく自分は「景気回復に貢献しない女」だなぁと思う。自意識過剰なのはわかっているが、消費をけん引するはずのF1層(20歳から34歳までの女性)でありながら、昔からブランド物に興味がなく、クルマも買わない。教育投資をはじめ、さまざまな支出の源泉となる子供は産まず、習い事や外食、旅行などにお金を使うこともない。唯一の趣味は貯蓄くらいだ。

「服とかカバンとか、欲しいものはないの?」

   昨日も、バブル世代の50代女性と話していて、つくづく呆れられた。彼女は新宿伊勢丹が大好きで、仕事の帰りに立ち寄ると、つい、限定のデパコス(デパートコスメ)やスイーツを買ってしまうという。

「伊勢丹も外国人観光客が増えすぎて、日曜はゆっくり買い物できないのよね」

   彼女とフロアを歩いていると、「ラデュレの新作、可愛いよね」とか、「トム・フォードの口紅、数年前にハマったのよ」と盛り上がるが、購入するのは彼女だけ。私は値段をチラッと見て、「げ......この化粧品、高すぎっ!?」と、財布の紐を固くする。

   こんな高級品が、私などに買えるはずがない。別世界のものだとハナから思い込んでいるのだ。そうやって欲望を押さえ込み、6800円の化粧品の代わりに、ドラッグストアで680円の化粧品を買っては自分を満足させている。

「服や化粧品にお金を使うくらいなら、貯金したいんですよね。去年はユニクロで服をたくさん買ってみたけど、何回も着たらボロボロになって、結局ゴミ箱行きでした。それで虚しくなって、服なんて古着で十分だと思うようになったんです」

1着500円でも満足できる

   そう、いろいろ試した結果、最近はほとんどの服を中古で済ませるようになってきた。中古品売買のアプリ「メルカリ」や、近所の古着屋を物色する。1着500円で、割と状態のいい服が手に入るから楽しい。真新しいブラウスを買って、汚して凹むくらいなら、気軽に買い替えられる古着で十分だ。

   「古着でも、欲しいものがあるのはいいことよ」と、アラフィフの彼女。

   「そうですかねぇ」と、答えたところへ、飛び込んできたのが冒頭の「GDP、3年ぶりにマイナス」のニュースである。

   私がいくら古着にお金を使っても、GDPには貢献しないどころか、長期的にはマイナスではないか――。なぜならGDPとは「一定期間内に、国内で新たに産み出された商品やサービスの付加価値の総額」を示す。古着は「新たに生産されたモノ」ではないので、GDPには反映されないからだ。

   経済成長に貢献するのは、売買手数料くらいだろう。いずれにせよ、新品を買う行為に比べれば貢献度は少ない。

 

   してみると、「服なんて中古で十分」という考え方は、経済成長にブレーキをかけている気がする。古本も中古車もそうだが、一度生産された商品の所有者がコロコロ変わるだけで、もとの生産者はさっぱり儲からない。

   これを「シェアリングエコノミー」とかっこよく言い換えて、IT分野でのイノベーションにつなげれば、新たな雇用や経済の拡大につながるのだろうか。そのあたりはよくわからないが、爆発的な成長はもう起きないだろう。それに申し訳ないが、服なんてやっぱり、中古で十分なのだ。(北条かや)

北条かや
北条かや(ほうじょう・かや)
1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。近著『インターネットで死ぬということ』ほか、『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』などがある。
【Twitter】@kaya_hojo
【ブログ】コスプレで女やってますけど
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