2020年 10月 26日 (月)

外部招へいはタイミングが大事 監督の「コミュ力」が導いたW杯ベスト16(大関暁夫)

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ソニー・平井会長の姿に重なる西野ジャパン

   そして、もう一つ着目したいのが、何よりコミュニケーションの基本は言語にあるということ。ハリル氏の指揮スタイル以上に、選手との壁をつくってしまったのが言語の違いではなかったかと思います。

   言語の違いは、単に言葉が通じるか通じないかだけではなく、通訳という第三者を介することで、「伝言ゲーム」になりかねないリスクがあります。さらに申し上げれば、各言語特有の言外にあるニュアンス的なものは、異国人間のコミュニケーションにおいては特に伝わりにくいと言っていいのではないかと思うのです。

   それらを総合して考えるなら、サッカーW杯の日本代表が、地の利があった日韓大会を除き1次リーグを突破した2回が共に日本人監督指揮の下でなし得たという事実は、単なる偶然とは思えません。

   技術的に世界水準から劣っている段階でまずそれを引き上げる時には、外国人指導者を招へいすることの優位性はあったのでしょうが、日本人選手がこぞって海外で活躍しその技術水準が向上した近年の段階においては、むしろコミュニケーション重視のチームマネジメントが有効であると思えます。

   企業経営も同じことで、日産自動車が瀕死の状態にあった時には外国人経営者のカルロス・ゴーン氏の日本人的経営の常識からかけ離れた手腕は同社を窮地から救うことになりましたが、拡大基調からの下降局面における安定化路線で、ソニーが初の外国人経営者、ハワード・ストリンガー氏を指名したことは、むしろ組織内コミュニケーションを悪くしソニーを未曾有の経緯危機に追い込むことになりました。ソニー再浮上の指揮を日本人リーダー、平井一夫・現会長の手に委ねて功を奏し、今春勇退を果たした姿には、西野ジャパンの活躍がダブって見える気がします。

   経営における外部の血の導入は、たとえそれが日本人であったとしても社会人として育った環境の違いによる組織内コミュニケーションにおける質の低下は否めない事実であり、組織の状況とタイミングによって、その登用は本当に難しいと思わせられることが多々あるのです。

   組織幹部への外部の血導入は大企業だけの問題ではなく、中小企業においてもごくごく日常的な組織活性化策になっています。今組織に必要とされるのが、ハリルホジッチ氏なのか西野氏なのか、組織の状況を踏まえて慎重に考える必要がありそうです。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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