世界の共通語となった「emoji」(絵文字)。「sushi」(寿司)や「karaoke」(カラオケ)を超えて、今、世界で最も有名な日本語かもしれません。約20年前にたった176種類で誕生した絵文字は、現在は約3000種近い「emoji」に急成長。ところが、その中にはあまり使ってもらえない「emoji」もあるようです。先日発表された人気ランキングから、意外な結果が見えてきました。3年連続第1位!世界でいちばん人気がある「emoji」は?日本のガラケーで誕生した「emoji」はすっかりポピュラーになって、世界中で「emoji」として定着しています。最近のトレンドは、すばり「ダイバーシティ」。2018年の「世界絵文字デー」(7月17日)にアップル社が公表した新しい「仲間」たちには、世界中から歓喜の声が寄せられました。薄毛や赤毛、クセ毛など、さまざまなヘアのアイコンが新たに「emoji」に加わると発表されたのです。It'sagreatdaytobebald,ginger,grey,orcurly-haired(今日は、ハゲ、赤毛、白髪、クセ毛の人たちにとってすばらしい日だ!)アップル社はさらに、車椅子に乗った人や義足の人などのアイコンも準備しているそうです。3年前に導入した「さまざまな顔色のアイコン」が予想以上にヒットして以来、世界中のユーザーから「髪の色のバリエーションを増やして欲しい!」「私に似たアイコンが欲しい」という声が寄せられていました。年々、時代を反映した「仲間」が加わっている「emoji」ですが、じつは人気メンバーは不動。Twitter上で使用される「emoji」をリアルタイムで追跡している「EmojiTracker」によると、3年連続で使用回数の第1位に輝いたのはこの「emoji」でした!Thefacewithtearsofjoyemojiisthemostpopular(一番人気は、「泣き笑い顔の絵文字」だ)facewithtearsofjoy:泣き笑い顔「泣き笑い顔」は、笑いすぎて涙を流している顔のアイコン。意外にも(?)「ハート」や「笑顔」といった幸せな気分を表す「emoji」が、例年ランキングの上位を占めているそうです。世知辛い世相に相反して、ハッピーな気分を「つぶやきたい」というのが、万国共通の傾向でしょうか。なんとなく心が温まるニュースです。一番人気がない「emoji」に救いの手が!それでは使用回数が少ない、つまり人気がない「emoji」は何でしょうか?悲しい気分を表すアイコンかと思いきや、「emoji」の世界はそんなに単純ではありませんでした。WhatistheleastpopularemojionTwitter?(ツイッターで、いちばん人気がない絵文字は何ですか?)人気がない「emoji」には「不動の1位」は存在しないようです。最近もランキングに変動が起こり、話題になったばかり。「最も人気がない絵文字1位」に輝いていた「aerialtramway」(ロープウエイ)の使用回数が急に増えて、他の絵文字に1位の座を譲り渡したのです!この「ランキング急変劇」は、「ロープウエイ」が人気ないことを知ったユーザーたちが、いっせいに大量の「ロープウエイ絵文字」を打ち込んでツイートしたことが原因でした。それにしても「emoji」の世界がこんなに盛り上がっているとは、まったく想像もしていませんでした。日本発「emoji」の海外進出ぶりに、思わず拍手を送りたい気分です。さて、今週の「ニュースな英語」は、「themostpopular」(最も人気がある)「theleastpopular」(最も人気がない)を使った表現です。「themost」「theleast」の後ろの形容詞を変えるだけで、バリエーションが無限に広がります。Themostexpensivewatch(最も高級な時計)Theleastexpensivewatch(最も安い時計)Themostimportant(最も重要)Theleastimportant(最も重要でない)Themostpowerful(最も力強い)Theleastpowerful(最も力がない)ちなみに、専門家の分析によると、「emoji」は内に秘めた感情を表すことに「themostuseful」(最も便利)なツールだとか。「ことば」よりずっと効果的に「気持ち」を表現できることから、とくに外国人相手のコミュニケーションにオススメだそうです。「emoji」が英語を超えて、「世界の共通言語」になる日は近いかもしれませんね。(井津川倫子)
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