2020年 9月 23日 (水)

時短勤務を取引先に伝えるべき? 「同僚が迷惑」「プライベートな問題」で大炎上 専門家に聞いた

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「成果」を求める上司と「寛容」を求める主婦のズレ

   J‐CASTニュース会社ウォッチ編集部では、主婦の働き方に詳しい、主婦に特化した就労支援サービスを展開するビースタイルの調査機関「しゅふJOB総研」の川上敬太郎所長に、この炎上騒ぎの背景について意見を求めた。

   ――「時短勤務であることを取引先に伝えなさい」という上司の指示に従わないばかりか、「無能である」と決めつける投稿で、問題はかなり根深いように思えます。

川上敬太郎さん「本来であれば直接上司との間で考え方をすり合わせなければ、業務に支障をきたす問題かと思います。しかし、上司との間に不信感のような感情的な壁が生じてしまっているようです。
上司が変わったことで自身への評価がガラリと変わったことへの戸惑いが、それだけ大きなダメージを投稿者さんに与えてしまったように感じます。
その根底にあるのは、投稿者さんと周囲との間の認識ギャップかもしれません。特に直接的に影響している可能性があるかもしれないのは、上司と投稿者さんとのコミュニケーション上の認識ギャップです」

   ――どのような認識のギャップでしょうか。

川上さん「私たちは『主婦にとって働きやすい上司とはどんな人物と思うか』という調査を行ないました。働く主婦と上司の双方に同じ質問をしたのですが両者の間で認識のズレが生じやすい項目が二つ、目立ちました=別図参照。一つは『自分の仕事の成果に対して、期待をしてくれている』かどうかについて。上司の半数以上はこの項目が重要だと考えていましたが、主婦層のほうは3分の1にとどまっています。
上司としてはよかれと思って期待するつもりでいろいろと指摘しても、受け手側にとってはその期待を重荷に感じたり、指摘を単なるダメ出しと捉えたりするケースがあるかもしれません。さらに、期待している成果の内容の認識自体がズレていると、より強いズレをお互いに感じてしまうはずです」

   ――もう1点は何でしょうか。

川上さん「『仕事上のミスや失敗に対して寛容に受け止めてくれる』かどうかの項目です。主婦層の4割近くが上司に寛容さを求めています。ところが、寛容さを重視する上司は主婦の半分の2割以下で、ドライに失点を指摘する傾向があります。上司がこのスタンスだと、やはり認識のズレは大きくなってしまうはずです」

   ――確かに投稿者は、前の上司に比べ、新しい上司は寛容さに欠けていると意識しているように見えます。それに、「成果」の面でもズレがありますね。

川上さん「ただ、決して上司が成果を期待することが間違いだとは思いません。仕事で成果を求めることはむしろ正しいはずです。また、主婦層も成果を求められることを嫌がっているわけでもありません。大半の主婦は、成果を出すべきという認識をしっかりと持っています。ただ、コミュニケーションをする上で、重視するポイントに違いがある可能性を念頭に置いておく必要があるのだと思います。
気を付けるべきは、思い込みではないでしょうか。上司側は、働く主婦が出すべき成果について認識しているはず、とか、成果を出すよう期待して指摘することを相手も望んでいるはず、という思い込みを持ってしまうと、コミュニケーションにひずみをもたらす可能性があります。
一方で、働く主婦側も、自分は十分成果を出しているから上司の指摘など受けないはず、とか、上司は自分のミスや失敗には寛容であってくれるはず、と思い込んでしまうと、イメージと異なる対応をされた際に、必要以上に大きなダメージを受けてしまうと思います」
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