2024年 4月 16日 (火)

データイノベーション時代はこう生きろ! 「自分データ」の活用でよりパワフルになれる

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個人データを安全に運用する「情報銀行」とは

今川拓郎さんは「情報銀行というビジネスが登場する時代がやってくる」と言う。
今川拓郎さんは「情報銀行というビジネスが登場する時代がやってくる」と言う。

   次に登壇したのが、総務省で個人データ活用の推進を担当している今川拓郎・情報通信政策課長だ。今川さんは、「個人データの提供先として、『情報銀行』(情報利用信用銀行)というビジネスが登場する時代が、もうすぐやってきます」と強調した。

   「情報銀行」とは、これまでの購買履歴や活動記録などの個人データを預かって管理する事業者のこと。預かった個人データを欲しがる事業者を個人に代わり評価してデータを提供、得られた便益を個人に還元する=図4参照。還元される便益には、おカネやポイント、サービスの割引などが考えられる。

図4:情報銀行のイメージ(内閣官房IT総合戦略本部・データ流通環境整備検討会の中間とりまとめ案より=2017年2月)
図4:情報銀行のイメージ(内閣官房IT総合戦略本部・データ流通環境整備検討会の中間とりまとめ案より=2017年2月)

   おカネと個人データの違いはあるが、預かった「価値」を運用する点では金融機関に似ている。2016年12月に施行された「官民データ活用推進基本法」に基づいて構想されており、2018年6月に情報銀行を認定するガイドラインができたばかり。具体化するのはこれからだ。

   今川さんはこう説明した。

「先ほどの橋田さんのPLRが管理事業者を介さず、個人でパーソナルデータ(おカネ)を運用するようなものとするなら、情報銀行は、パーソナルデータをまとめて投資信託するようなものと考えるとわかりやすいでしょう」

   ただし、自分のデータがどう使われるかについて、日本人は不安感が強く、諸外国に比べると許容度が低いと今川さんは指摘する。

「ある調査では、8割近くの人がパーソナルデータの活用に理解を示す一方、同じように8割の人がどのように扱われるか不安を持っています。安全性をどう確保するかのルールづくりが課題になります」

   そこで、次のように情報銀行をコントロールできる仕組みを考えている。

   (1)パーソナルデータの第三者提供の履歴をすぐ閲覧できる。
   (2)同意を撤回して第三者提供の停止を求めることができる。
   (3)保存されているパーソナルデータの開示を請求できる。

   また、情報銀行各社に「データ倫理審査会」(仮称)を設置、データの提供が適切に行なわれているか、セキュリティが万全か、プライバシーが保護されているか、損害が発生した場合に賠償がなされているかなどをチェックするシステムも導入される。

   今川さんは「利用者が安心してパーソナルデータを預けられると同時に、データポータビリティ(持ち運び可能)を進めて、パーソナルデータが効果的に活用されていく仕組みを考えています」と結んだ。

(記者:福田和郎)

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