「未病対策」への意識、奈良県がトップ 「心身ともに健全な生活」ってどんなもの?

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   個人の健康に対する意識や健康的な生活習慣の行動変化を指標化した「健康生活習慣 実行力ランキング」で、奈良県が全国トップに輝いた。「未病対策」への意識が最も高かった。

   予防医学のアンファー(東京都千代田区)が「ニッポン健康大調査 2018」を、9月28日に発表。予防医学に対する考え方を聞いた。2位に徳島県、3位に山梨県が続いた。ワースト1は大分県。46位が愛媛県、45位は青森県だった。

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朝食の頻度が高く、外食の頻度は少ない

   調査は、未病対策の基本となる健康的な生活習慣の行動について、(1)調和のとれた食事(2)適切な運動(3)十分な休養・睡眠(4)ストレスのない生活(5)嗜好品の摂取――などの5項目をベースにしている。

   総合トップとなった奈良県は、「睡眠」「ストレス」「嗜好品」の3項目でトップだった。具体的には、寝る前のスマホ回数が少ない、6時間以上、8時間以下の理想的な睡眠時間などの条件による「睡眠」で1位。飲酒習慣、喫煙習慣がないなどの「嗜好品」でも1位。ストレスを感じる頻度によって換算する「ストレス」でも1位と、心身ともに健全な生活を送っていることがうかがえる。

   食事でも、朝食の頻度が高く、外食の頻度は少ない、健全な食生活を実践しているようすがうかがえる。

   総合2位は徳島県。すべての項目が平均以上と高く、なかでも「運動」は3位、「食生活」2位、「睡眠」が5位と健康的な生活習慣が身についている。総合3位の山梨県は、「嗜好品」は2位と高く、内訳をみると禁煙率は1位だった。また、「食生活」も7位と高く、朝食を週に5回以上摂取する、では3位で、健康的な生活習慣を実行できている。

   一方、最下位だった大分県は、「運動」46位、「睡眠」が47位、「食生活」は43位と、課題の多い結果となった。意識調査では、健康によいことを「健康に気をつかい始めたきっかけ」の質問に、「睡眠が十分でないと感じるから」「よく飲酒をするから」など、生活習慣に対する問題意識を持つ人々の割合も多く、不健全な生活習慣を不安視する声も散見された。

「モーニング効果」? 愛知県がバランスのとれた食生活で首位

   調査を項目別にみると、「運動頻度の高い都道府県ランキング」では、トップが兵庫県、2位は神奈川県、3位が徳島県だった。

   兵庫県は、週に2回以上、1回あたり30分以上の運動を行っていることが基準となる「運動」のスコアで1位。また、健康のために日頃実行している問いで、「ジムに通う」の回答が最多。「私生活の中で身体を動かす意識をしている」では5位と、日常生活の中で、健康の維持・増進のためにカラダを動かす県民が多いことがわかった。

   一方、最下位だったのが秋田県。「私生活の中で身体を動かす意識をしている」では46位だった。46位は大分県、45位が長野県だった。

   「バランスのとれた食生活を実践している都道府県ランキング」は、1位が愛知県。2位に徳島県、3位が埼玉県。愛知県は、朝食の頻度が高い、間食・夜食習慣がない、食事時間が20分以上の3項目から算出する「食事」のスコアが他県に比べ突出して高く、モーニング文化が根強い愛知県に相応しい結果となった。

   最下位の青森県をみると、男性の一食にかける食事時間が最も短かったほか、「最も気にしている外見のケア」の問いに、「肥満」との回答が最多。「自分自身が罹患する(かかる)かもしれない」と実際に不安を感じたことのある病気に、「糖尿病」と答えた人は全国2位の多さだった。46位は北海道、45位に静岡県。

   「質の高い睡眠をとれている都道府県ランキング」でトップだったのは奈良県。具体的には、寝る前にスマートフォンを操作する回数が1週間に1回未満などの「睡眠」スコアが高かった。2位に石川県、3位は沖縄県だった。最下位の大分県は平均睡眠時間が短く、自身の不眠に対する自覚の高さに加えて、質のよい睡眠を得るに入浴に対する工夫や、食事の改善でも後ろ向きな回答が多かった。46位に愛媛県、45位は茨城県だった。

秋田県、「ストレス」で最下位 病気への不安感じる人多く

   「ストレス度の低い都道府県ランキング」のトップも奈良県。具体的には、「怒りっぽくなる」「悲しい気分」「気持ちが沈んでいる」など、ここ 2、3日の感情や行動状態にあてはまる18項目から算出するストレスに関する質問から1位という結果となった。2位が香川県、3位は静岡県。

   一方、最下位の秋田県をみると、さまざまな不安要素に当てはまる項目も多かった。「自分自身が罹患する(かかる)かもしれない、と実際に不安を感じたことのある病気」の問いに、感染症、高血圧、低血圧、脳血管疾患(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)の選択も最多。病気に対する不安を抱えていることが明らかになった。その現れか、三大疾病の医療保険への加入数でも1位となっている。46位に長野県、45位は滋賀県。

   また、「飲酒・喫煙頻度の少ない都道府県ランキング」の1位も奈良県。2位が山梨県、3位は島根県。奈良県は、お酒を摂取する頻度、量、喫煙習慣の3項目から算出する「嗜好品」のスコアが最も高かった。最下位の愛媛県は、飲酒頻度が全国で最も高く、現在も喫煙している割合では全国6位と高め。また、「食生活に気をつける」では46位、「サプリメントなどの栄養補助食品を摂っていない」は1位と健康意識が低い傾向にあることがわかった。46位に京都府、45位は神奈川県だった。

   なお調査は、2018年6月21〜25日に実施。47都道府県の20〜69歳の男女4700人(各100人、男女50人ずつ)が対象。

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