2021年 9月 21日 (火)

やはり始まるのか!? 「円安セカンドステージ」を読み解く(志摩力男)

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機関投資家の動きが「円安」に持っていく!

   一方、生命保険や年金基金のような機関投資家は、為替リスクを取ります。しかし生保の場合は、3か月物の為替スワップなどで為替リスクをある程度消すようにします。そのため、近年は為替リスクをほとんど取らない傾向にあります。

   そうなると、実質的な投資行為は銀行と同様、長短金利差を取るのと同じになります。 最近、「米国のイールドカーブがフラットニングしている」という報道をよく聞くかもしれませんが、実際に米国の長短金利差はほとんどなくなり、長短金利差がひっくり返る「逆イールド」になるのではないかとも言われています。

   現在の状況では、欧州に長短金利差は少し残っていますし、イタリアなどのクレジットの悪い国の債券を買えば、相当の金利差があります。しかし、それはリスクを伴うものなので、できる金額には限界があります。

   どの投資主体がどのように投資したかというのは、週次ではなく月次の「対外及び対内証券売買契約等の状況」を見なければなりませんが、このイールドカーブに金利差がないときに中長期債を大量に購入したという事実は大きいです。

   つまり、長短金利差を取りに行ったのではなく、為替リスクを取りに行ったという解釈できるからです。

   米中の貿易問題が加熱化しつつありますが、それでも「リスクオフ」相場にはなりません。制裁関税が実際に米中の経済にインパクトを与えるまでは、無視されるのでしょう。

   新興国市場の混乱も、新興国国内に封じ込まれています。このところイタリアが話題ですが、はっきり言って大した問題ではありません。単なる相場ネタです。そもそも、財政赤字の2.4%が問題なら、毎年5%ぐらいの財政赤字を何十年も出し続けている日本はどうなるのでしょうか?

   このところの為替相場は極めて安定しています。動かないのであれば、金利が高い国の通貨を買っておけば利益が出ます。その動きが次第に顕在化してきたのではないでしょうか。日本に金利はありません。機関投資家の動きがドル円を円安方向に持っていくのではと考えます。(志摩力男)

志摩力男(しま・りきお)
トレーダー
慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券など大手金融機関でプロップトレーダー、その後香港でマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現役トレーダーとして活躍中。
最近はトレーディング以外にも、メルマガやセミナー、講演会などで個人投資家をサポートする活動を開始。週刊東洋経済やマネーポストなど、ビジネス・マネー関連メディアにも寄稿する。
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