2018年 11月 18日 (日)

日本経済の「屋台骨」を支援 中小企業の事業承継キックオフイベントを開催

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   2025年ごろまでに約650万人の雇用と、約20兆円の国内総生産(GDP)が喪失する―--。その原因は、中小企業の後継者不足。「事業承継」はいまや日本の社会的な課題だ。

   この大きな課題に官民一体となって取り組むべく、経済産業省・中小企業庁は、地方自治体などと連携して事業承継支援のためのネットワーク(事業承継ネットワーク)の構築に取り組んでいる。2018年10月29日、その第一歩として、「全国事業承継推進会議」のキックオフイベントを、東京・芝公園のザ・プリンスパークタワー東京で開いた。

  • 事業承継問題の解決なくして、日本経済の持続的発展はない(写真は、イメージ)
    事業承継問題の解決なくして、日本経済の持続的発展はない(写真は、イメージ)

2025年までに集中的にバックアップ

   「全国事業承継推進会議」は、中小企業の経営者、後継者、行政、支援機関などが一堂に会し、中小企業や小規模事業者の経営者の「気づき」の機会の提供や、事業承継の支援機関が連携を深め、「オールジャパン」で事業承継を推進することを狙っている。

   この日のキックオフイベントを皮切りに、2019年1~3月をめどに、北海道から九州までの全国8ブロックで、支援機関などの連携と事業者の意識醸成のための会議を開催していく予定。開会にあたり、経済産業省の磯﨑仁彦副大臣は「政府は税制措置や事業マッチングの促進、M&A支援などの必要な施策を講じて、日本経済の屋台骨である中小企業を支えていく」と、挨拶した。2025年までを集中期間として取り組んでいく。

   イベントでは、安倍晋三首相も「後継者不足は深刻な問題で、政府も重く受けとめている。事業承継にかかる贈与税や相続税の負担を軽減し、事業のマッチングを集中的に促進することで、中小企業の活性化を進めたい」と、ビデオメッセージを寄せた。

安倍首相はビデオメッセージで「中小企業の活性化を進めたい」と表明
安倍首相はビデオメッセージで「中小企業の活性化を進めたい」と表明

   また、後継者候補となる青年団体の代表として、全国商工会議所青年部の越智俊之会長が「日本経済の発展に力を尽くして、青年の情熱を行動で示し、きょうのキックオフを機に未来への挑戦をはじめます」と、決意を表明した。

   帝国データバンクの全国社長年齢分析(18年1月)によると、経営者の平均年齢は59.5歳で過去最高を記録。年齢分布をみても、1995年に47歳だったボリュームゾーンは2015年には66歳へと移動している。

   1999年に約484万社あった中小企業は14年には約380万社と、15年間で100万社が減少。この380万社の約3分の2の経営者が引退の時期に差しかかり、さらにこの約半数にあたる127万人が後継者不足とされる。事業承継の準備には5~10年程度を要するとされる。事業承継問題の解決なくして、日本経済の再生・持続的発展は危うい。

   なお、第2部として、「ハゲタカ」シリーズの著者で経済小説家の真山仁氏が「中小企業の現状と未来~中小企業が生き残るために、今なにをすべきか」をテーマに講演したほか、若手経営者をパネリストに迎え、「『今、継ぐ』大切さ~私はこうやって継ぎました!~」をテーマに議論を深めた。

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