2018年 11月 18日 (日)

【企業分析バトル】絞り込んで選んだ「イボキン」知ってます?(一橋大 カブ大学対抗戦)

印刷

   カブ大学対抗戦の初戦に、ジャスダック市場に上場する「イボキン」を選んだ。

  • リサイクル市場は有望だ!(写真は、ペットボトルのリサイクル)
    リサイクル市場は有望だ!(写真は、ペットボトルのリサイクル)

ボトムアップアプローチで攻める

kaisha_20181102111548.jpg

   銘柄を探す際に二つの方法をよく用いる。一つはトップダウンアプローチ。市場の勢いや話題性をもとに銘柄を探す方法で、最近だとAIを活用した自動運転やIPS細胞を活用した再生医療などといった話題が多く見受けられる。

   もう一つは、ボトムアップアプローチ。ROE(自己資本利益率)や売上高成長率といった指標をもとに銘柄を絞り込んでいく方法だ。

   今回用いたのはボトムアップアプローチ。

   (1) ROE10%以上
   (2) 売上高成長率10%以上
   (3) 時価総額100億円以下

の3つの項目で絞り込んだ。

   ROEは株主資本をどれだけ効率よく使用し利益を上げたかを測る指標の一つ。10%以上というのは企業を篩(ふるい)にかけるうえで、多少厳しい数値ではあるが、ROEが強く意識されるようになった昨今においては企業にクリアしておいてほしい水準であると考えた。

   売上高成長率は、企業の売り上げがどれだけ成長しているのかをみる指標。売り上げが伴っていなければ、当然その会社に将来性はない。カブ大学対抗戦は1年間の連載なので、現在も売り上げを伸ばしており、かつ今後も伸びが期待できそうな銘柄を選定したいと思い、この指標を用いた。

   さて、時価総額を100億円以下に設定すると、大企業から順に上場企業のおよそ3分の2が除外される。ターゲットを中小型株に絞ることで、機関投資家の目が届きにくい銘柄かつ、今後の成長が見込めそうな銘柄が探しやすくなる。企業規模が小さい分、企業の全体像がつかみやすいため、個人投資家でも投資しやすいこともある。

   というわけで、この3つを用いてスクリーニングをかけたところ9件がヒット。その中から興味のわいた銘柄をピックアップした。それが「イボキン」である。

   イボキンは1984(昭和59)年創業の解体・リサイクル企業。2018年8月にジャスダック・スタンダード市場に上場したばかりだ。近畿、中国・四国地方を中心に事業展開しており、東京にも支社を一つ持っている、地域型の中小企業といった印象だ。

   事業内容は解体事業、環境事業、金属事業の3事業に分かれている。

   建築物の解体や都市鉱山から出た資源を、運搬・中間処理し、リサイクルもしくは埋め立てるという工程を一括して自社で行うこの形態を、イボキンは「ワンストップサービス」と呼び、強みとして押し出している。

(イボキン 2018年12月期 第2四半期 決算説明資料から)
(イボキン 2018年12月期 第2四半期 決算説明資料から)

   業績は堅調に推移しており好印象だ。事業領域を関西圏から関東圏へと広げていく余地が残されており、解体・リサイクルという市場自体の成長が見込まれるため、今後の成長にも期待できる。

有望なリサイクル市場

建設投資額(名目)の推移(イボキン2018年12月期 第2四半期 決算説明資料から)
建設投資額(名目)の推移(イボキン2018年12月期 第2四半期 決算説明資料から)

   高度経済成長期に建てられた高層ビルや工場・倉庫は年々老朽化。下のグラフはその年に国内で使われた建設投資額の推移を表しており、赤い棒グラフは左から築50年、40年、30年、20年の境界を示している。

   解体対象となる建築物が今後、右肩上がりに増えていくことはこのグラフからはっきりと読み取ることができ、これが解体市場の将来性を示している。

   リサイクルに対する需要の高まりも、今後増していくことは言うまでもないだろう。日本は金属資源のほとんどを輸入に依存している。パソコンやスマホに使われている大量の貴金属を回収、再利用して循環させることは、日本とって重要な課題といえる。

   また最近は、「脱プラスチック」の動きも高まる。欧州を発端として、スターバックスやマクドナルドといった有名飲食チェーンがプラスチック製ストローや容器の廃止に積極的な動きを見せている。プラスチックにかかわらず、ゴミの排出やリサイクルに関心が集まることはイボキンにとって追い風だ。

   リスクは3点。一つは高度技術者の養成。大型工事を元受けで受注するためには、一つの現場に最低一人の国家資格を持つ管理技術者が必要となる。イボキンには現在8人の管理技術者が在籍しているが、大型案件を同時に進行させるにはさらなる人員拡充が必要。

   二つ目は増資の有無。上場したばかりのイボキンは、株式の多くを自社や経営陣、従業員持株会が所有している。その株主構成は、経営者や従業員のモチベーションを高め、また株価の動きを安定化させる効果が期待できる一方で、株式の自社保有割合が過半数を割らない程度に増資する可能性が考えられる。増資すれば、株式の価値が薄まり、株価の下落要因となる。

   三つ目は、事故リスク。イボキンは上場直前の7月28日に本社敷地内で火災を起こしている。人的被害はなく営業に大きな影響はなかったようだが、今後、作業中の人身事故や大規模な器物損壊などが発生すれば企業の管理責任が問われ、信頼が損なわれることになりかねない。

   株価を確認すると、上場後に下落してからは持ち合いの状態が続いていたが、その後は上昇トレンドに転換。現在は2300円程度に付けている。PER(株価収益率)は約14倍であり、まだ割安と判断できそう。

   イボキンは引き続き安定した成長が見込まれ、需要はさらに増していくことと想定されるものの、とにかく現状は株式市場そのものが落ち着かない。当面は、3000円台を目標としながら、購入できるタイミングを見計らっていこうと思う。

【株式取引ルール】
・月200万円を上限に最低1銘柄(企業)を選ぶ、バーチャル投資です。
・投資対象は、新興市場を含む上場企業の現物取引です。
・1年間のトータルで損益を競います。
プロフィール
一橋大学 マックス
経済学部2年。投資サークルに入り、2017年から株式投資を始めた。企業の決算や市況を見ながらの中長期的な投資が好きで、チャートはあまり見ない。週末、家でゆっくり銘柄を探すのが好き。投資で稼いだお金で老後を悠々自適に過ごすのが目標。宮城県出身。
今すぐ無料会員に登録して、コメントを書き込もう!

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中