2019年 10月 18日 (金)

波紋呼ぶ米ルービニ教授の指摘 仮想通貨が「危ない」5つの理由(小田切尚登)

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   仮想通貨の下落が止まらない。代表的な仮想通貨であるビットコインは2017年に1000ドルから、その年の12月に2万ドルに肉薄するまで上昇したが、一転して下降しはじめ、このところ6500ドル前後で推移している。

   つまり、数か月で3分の2近く下がったということだ。ビットコインはまだいいほうで、ビットコイン以外では90%以上下がった仮想通貨はザラであり、95%程度下がったものが多い。仮想通貨に投資している投資家の大半は大きな損失を抱えることとなった。

  • 仮想通貨は「危ない」のか?
    仮想通貨は「危ない」のか?

リーマン・ショックを予言した教授

   このネガティブな空気に拍車をかけたのが、この10月、米上院の銀行住宅都市問題委員会での米ニューヨーク大学のルービニ教授の証言だ。ルービニ教授は金融の最前線の研究者の一人で、リーマン・ショックを予言したことで一躍有名になった。

   この証言には「仮想通貨はペテンと(すでに崩壊した)バブルの源泉だ」という刺激的なタイトルがついており、仮想通貨が如何に問題であるかについて述べられている。

   教授の指摘した重要な部分を、以下にまとめておこう。

(1)ICO(イニシャル・コイン・オファリングの略。仮想通貨を新たに発行して資金を集めることを指す)の81%が最初からイカサマで、11%は破たんした。残り8%だけが今も取引所で取引されている。

(2)仮想通貨は通貨としては使いづらく、通常の支払い手段としての機能は果たせない。価値が常に大きく変動するようでは価値尺度の基準となりえない。一方でドラッグや脱税、マネーロンダリング(資金洗浄)などに使われて犯罪の温床となっている。

(3)各国通貨の価値は国が保証しているが、仮想通貨は日々新たに誕生しており、価値が下がっていくのも当然といえる。ビットコインは2100万に発行数が制限されているとされるが、ビットコイン・キャッシュやビットコイン・ゴールドなどに枝分かれして増えている。

(4)ハッカーの攻撃に弱い。鍵を盗まれたら1回のクリックで財産が消えてしまう恐れがある。今の強盗は銀行を襲うのではなく暗号にアクセスしようとする。

(5)不正な取引が横行している。ポンプ&ダンプ(価格を人為的に吊り上げて、直後に下げる)、見せ玉(買う意思がないのに買い注文を出し、価格を吊り上げる)、仮装売買(第三者を騙すために見せかけの売買をする), フロントランニング(客の注文を受けたら、その情報を使って自分が先に取引をする)といったものだ。これらの行為は株式市場では証券取引法で禁止されているが、仮想通貨にはそういう規制はなく、野放しになっている。

小田切 尚登(おだぎり・なおと)
小田切 尚登(おだぎり・なおと)
経済アナリスト
東京大学法学部卒業。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバなど大手外資系金融機関4社で勤務した後に独立。現在、明治大学大学院兼任講師(担当は金融論とコミュニケーション)。ハーン銀行(モンゴル)独立取締役。経済誌に定期的に寄稿するほか、CNBCやBloombergTVなどの海外メディアへの出演も多数。音楽スペースのシンフォニー・サロン(門前仲町)を主宰し、ピアニストとしても活躍する。1957年生まれ、60歳。
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