2021年 1月 20日 (水)

2022年、都会の「生産緑地」が宅地に変わる! どうなる地価? どうなる農家?(鷲尾香一)

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生産緑地の指定解除で、農地の引き取り手がなくなる

   じつは、この仕組みが大きな落とし穴となっている。これまでにも、農業を継続できなくなり生産緑地の解除手続きが行なわれた例は多々あるが、そのほとんどは「財政が厳しい」「利用価値がない」などの理由から、市区町村が買い取りを拒否しているのだ。

   つまり、生産緑地の指定は解除されると、その農地の引き取り手がなくなるのだ。

   もう、おわかりだろう。1992年から登録がスタートした生産緑地指定が、2022年に30年が経過し、大量の指定解除が行われることになる。現在、生産緑地は全国に約1万3000ヘクタールも存在している。その約8割が解除されることになる。

   もちろん、市区町村は買い取りを拒否するので、これらの農地は一斉に、主に宅地として不動産市場に流れ込んでくる可能性があるのだ。

   そうなれば、住宅地の土地価格が下落する可能性は高い。そのうえ、少子高齢化の影響で、現在は空き家や空き地の増加が社会問題となっている。生産緑地が宅地に生まれ変わり、人が居住するようになればいいが、宅地としてのニーズがなければ、単に空き地が増えるだけになってしまうだろう。

   こうした事態に危機感を抱いた国は、生産緑地の指定解除に向けた対策を開始した。国土交通省は2017年6月から、自治体が条例で定めれば、現在の生産緑地の面積要件である500平方メートルを300平方メートルまで引き下げられるようにした。これにより、都市農地が生産緑地としてとどまり、宅地化するのを防ぐ狙いがある。

   国交省の三大都市圏の222自治体調査の結果では、すでに約50の自治体が条例を制定している。

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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