2021年 1月 26日 (火)

その言葉、鵜呑みにしていません? 「考えておきます」のホンネを読み解く力(高城幸司)

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相手はアナタを受け入れていますか?

   Dさんは同行して、お客様が部下のプレゼンを受けている様子を観察していました。すると、ドンドンとページをめくり、見積もりの書かれたページを注目。明らかに関心が低く、興味が薄い提案内容であったのは明らかでした。

   ところが、その状況に気づかない部下は時間をかけて丁寧に提案書をなぞるように説明を続けます。ついにはイライラしてきたようで、机を指でコツコツたたき、頻繁に時計をみる仕草を始めました。

   Dさんは途中で代わって説明をしたくて仕方ない状況になりましたが、我慢して最後まで提案を横でみていました。ちなみに、部下は説明することに夢中でお客様のことをみている様子はありませんでした。

   それでもプレゼンが終了すると、お互いが顔を合わせて会話する状態になりましたが、お客様は柔和な姿勢で前述のように回答したのです。

   この回答の場面だけを切り取ればお客様は高い評価をしているように思えるかもしれません。部下はこの場面だけで「わが社に決まる」と感じたのかもしれません。でも、プレゼン全体でお客様の様子を見ていれば結果は明らか。こちらから連絡するとの回答は「お断り」を意味していました。

   さて、Dさんは結果を踏まえて、部下にどのような指導をしたのか――。決まらなかったことを責めるのではなく、プレゼン中に相手の表情、しぐさ、言動に注目して相手の受け入れ状態を確認しなさい...... と指導しました。

   自分なりにいい提案を準備しても、それが相手にとっていいとは限りません。もっと手短に、わかりやすく、考えているかもしれないのです。

   典型的な場合には、相手を受け入れる状態になると口角があがり、発言に抑揚がでます。逆に言えば、固まった姿勢で単調な話しぶりのあいだは自分の話を受け入れてない可能性が高いと言えます。受け入れ状態が高ければ、お互いの心を通わせて話ができます。「言葉の裏」に隠された本音を、少々は聞いてもかまわないとも言えます。

   提案内容に不満はないのか? ライバルの提案に見劣りする部分があるとそればどこなのか? そのあたりを聞いて、提案内容の修正をすることで仕事につながる可能性は高まるのではないでしょうか。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
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