2019年 9月 23日 (月)

ノルマが「ブラック」に陥る境界線 その商品「悪徳」「暴利」じゃないですよね(大関暁夫)

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   札幌市内の不動産仲介チェーン店舗で、室内に消臭スプレーを一斉に大量噴霧したことでガス爆発が起き、多数のケガ人が出る騒ぎとなりました。

   関係者が事後調査を進める中で、大量噴霧した理由が、問題のスプレー缶は1本1000円でそれを使用した作業費込み1万円のサービスに、本社からノルマが課されていたことやノルマ達成に向けてサービスの獲得はしてはいたものの実際に実施されないケースが多かったこと、スプレー缶が未使用で大量に残っている場合、本社の点検でそれが発覚して怒られることを恐れたことなどにあったと、わかってきました。

  • そのノルマ、大丈夫ですか?
    そのノルマ、大丈夫ですか?

「ノルマ=ブラック」は言い過ぎか?

   「この不動産業者ブラックですよね」。ちょうどこのあたりの裏事情が発覚した翌日にお目にかかった知り合いの社長は、ガス爆発の件に話が及ぶやいなや、断罪するかのように言いました。

   ひと言で「ブラック」と断罪するのは簡単なことなのですが、問題はこの不動産業者のどこにブラック要素が潜んでいたのか、自社にその芽はないと言えるのか――。この手の機会には、そこはしっかり押さえておかなくてはいけないのではないかと、瞬間的に思いました。

   「ノルマ」という言葉にはどこか悪いイメージが潜んでいるのですが、言い換えれば目標のことであり、これをすべてブラックと言ってしまうのは問題があります。

   もし問題があったとすれば、ノルマを達成せんがために不正をしないとなかなか達成できないような状況になっていなかったか否か、あるいは不正が横行する理由としてそもそもノルマを課された商品販売、サービスやセールスがノルマを課すにふさわしいものであったか否か、という点に着目して問題点を検証する必要があるように思えます。

   2018年、スルガ銀行で問題になった不正融資問題は、そのわかりやすい一例です。銀行融資は、商品そのものは決してブラックな商品ではありません。しかし、担当者に収益性の高い不動産関連融資に関する大きな目標が貼られ、健全な利用者に対して貸付をしているだけでは目標に達することができない。

   そんな状況下で、借りたいけれども通常の審査では通らないような借入申し込みに対して、所得資料の改ざんなどをして融資し、目標をクリアすることが当たり前になってしまっていた、という状況は明らかにブラックであると言えます。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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