2020年 11月 30日 (月)

その77「総合的に判断した結果」という理由 「こんなものいらない!?」(岩城元) 

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   新井浩文という俳優が2019年2月1日に「強制性交」の疑いで逮捕された。

   途端に、彼が出演した映画やドラマが一部を除いて次々にお蔵入りした。映画は公開が中止になったり、延期されたりし、放送後にインターネットで見られたドラマも配信が止まった。

  • 新井浩文容疑者の出演作品のお蔵入りを伝える2019年2月9日付の朝日新聞朝刊。
    新井浩文容疑者の出演作品のお蔵入りを伝える2019年2月9日付の朝日新聞朝刊。
  • 新井浩文容疑者の出演作品のお蔵入りを伝える2019年2月9日付の朝日新聞朝刊。

作品には罪はない

   相次ぐお蔵入りだが、でも作品そのものには、なんの罪もないし、そもそも新井容疑者がひとりで作ったものでもない。しかも、過去の作品までもが対象になっている。だから、僕は公開の中止や延期、配信の停止自体がそもそも間違っていると思うのだけど、それ以上に納得できないのが、お蔵入りが「総合的に判断した結果」だという説明である。

   朝日新聞の報道によると、「NHKオンデマンド」で大河ドラマ「真田丸」など11作品の配信を停止したNHKと、「モンテ・クリスト伯」など7作品を配信停止にしたフジテレビは、ともにその理由を「総合的に判断した結果」と説明している。

   しかし、これだけでは、どういう根拠でお蔵入りになったのか、さっぱり分からない。「総合的判断」にあたってNHKは「世の中がどう見ているのか」を重視したそうだし、フジテレビは「社会的影響などを考えた」とのことだが、分かりにくさは一向に変わらない。

   少なくとも、三つやそこらは具体的な理由・根拠を挙げたうえで「総合的に判断した」と言うのであれば、賛否は別にして、言いたいことは分かる。しかし、それらがない「総合的に判断」だけでは、何も言っていないのと同じではないだろうか。

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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