2019年 8月 25日 (日)

南海トラフ 巨大地震発生! さあ、あなたの会社はどうする? 緊急シミュレーションを体験取材した

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   近年、取り組む企業が多くなった「BCP」(事業継続計画)という言葉をご存じだろうか。「Business Continuity Plan」の略で、自然災害や大火災、テロ攻撃などの緊急事態を想定し、会社の事業を継続する対応策をまとめたものだ。

   2011年3月の東日本大震災後に、「BCP担当者」を置いたり、従業員の安否確認訓練を行なったりする企業が増えた。現在、南海トラフ巨大地震や東京湾北部直下地震が切迫しているといわれており、「BCP」の関心も高まっている。

  • 大震災の中、次々と来るメールへの対応に追われる参加者
    大震災の中、次々と来るメールへの対応に追われる参加者

本社や工場に津波が! 仙台出張中のあなたが出す指示は?

   あなたの会社は大丈夫ですか――。J-CASTニュース会社ウォッチ編集部記者は2019年2月27日、東京都江東区青海で行なわれた、南海トラフ地震の発生を想定した「BCP」のシミュレーション訓練に参加、体験取材した。

   このシミュレーション訓練を実施したのは、企業向け教材開発・研修・セミナーの「株式会社インバスケット研究所」(大阪府堺市、鳥原隆志社長)だ。東日本大震災の被害を研究している東北大学災害科学国際研究所の丸谷浩明教授の指導を受け、南海トラフ地震を想定したパソコンを使った「BCP」の教材「WEBインバスケット」を開発した。

   東日本大震災から8年目の3月11日に「WEBインバスケット」を一般に提供するのに先立ち、各企業の「BCP」担当者を招いて体験会を開いた。「WEBインバスケット」の開発に携わった講師のインバスケット研究所の岸本昌也さんによると、大震災発生の場合、企業の対応には三つ段階がある。従業員の救助や安全確保、会社施設の消火などにあたる「当日」、協力会社との連携を図り、復活に向けて動く「3日以降」、そして、企業活動を開始、資金面のやりくりを始める「10日以降」だ。

   今回のシミュレーションは「当日」、しかも、南海トラフ地震が発生してから30分以内という大混乱を想定している。まさに、最初の勝負の段階だ。岸本さんは、30人の参加者にこう語った。

「みなさんにはあるメーカーの生産ラインの責任者になってもらいます。30分のうちに会社の各地から、あなたに指示を求めるメールが20通届きます。それらに対して的確に指示のメールを返信してください」

   参加者全員の設定人物は、静岡市に本社がある大手住宅機器メーカー「アレックス」の生産本部長・坂谷だ。アレックスは、静岡本社の下に東京支社、大阪支社、仙台支店があり、生産拠点として、浜松、三重、鳥取に3つの工場を持っている。坂谷はそれら工場の生産ラインの責任者だった。

   南海トラフが発生したのは昼の12時56分。震源地は静岡沖で、最大震度は7を記録した。静岡、三重、大坂、東京と各地に3~20数メートルの津波が押し寄せた。特に三重の津波は26メートルに達し、標高3メートルの低地にあった三重工場は壊滅、静岡の本社も大被害にあった。

   しかし地震発生時、坂谷は仙台市に出張しており、各地の工場が深刻な被害にあったことは知る由もない。昼食後にコーヒーを飲んでいる最中、めまいのような揺れに襲われ、あわててスマホでニュースを見ると、「大災害発生」が報じられていた。坂谷は静岡本社に電話したが、まったくつながらない。坂谷のスマホには指示をあおぐ社内メールが各地から矢継ぎ早に飛び込んでくる。それを30分以内にいかにさばいて的確に指示を与えるかが課題だ。

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