2020年 9月 29日 (火)

欧州経済を立て直したドラギ総裁、最後の最後に飛び出すか?「再緩和マジック」!(志摩力男)

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ドラギ総裁の任期は2019年10月

   今回の欧州の景気低迷は、基本的に中国の低迷が欧州に波及しているからだと考えています。中国でバブル的なモノが消えたので、過剰消費の中で嗜好されたドイツ製の高級ブランド品への需要が減退したのでしょう。

   そうは言っても、欧州経済の「エンジン」であるドイツが不調に陥っているというのは痛い。ECBも金融緩和で手を打たざるを得ません。

   欧州には「イタリア」という爆弾が潜んでいます。イタリアがなぜ爆弾かと言うと、債務が大きく、成長がない(2019年、イタリアはマイナス成長になると予想されています)。それなのにポピュリスト政権で政策の方向性がままならない状況です。

   欧州各国の長期金利をみると、ドイツはマイナス金利、フランスは0.3%前後、スペインは1%前後というなか、イタリア国債の金利は2.5%です。市場はイタリア国債のリスクを非常に高く見積もっています。このままだと、債務が膨張します。しかし、緊縮財政にも限界があります。イタリアが欧州の最大のリスクになっているわけです。

   イタリアの金利を下げることが、欧州のリスクを下げることにつながります。2012年の欧州債務危機のとき、イタリア国債の金利は6%ぐらいまで上昇しましたが、ドラギ総裁の量的緩和政策の下では1.00~2.00%程度まで抑え込まれ、それが欧州景気を下支えしたといえます。

   ドラギ総裁の任期は2019年10月までです。残り少ない時間ですが、最後の「ドラギマジック」で量的緩和政策を発動する可能性があるかもしれません。

   ユーロドルはどこかで反発するのではないかと見られていましたが、欧州の金融政策転換が前提でした。転換はなく、しかも想像以上に長く低金利が続くとなると、ユーロの反発は見込めません。

   ユーロは、2016年の安値1.05ドル前後から、さらに下のパリティ(1ユーロ=1.00ドル)方向に行くのではないかと予想します。(志摩力男)

志摩力男(しま・りきお)
トレーダー
慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券など大手金融機関でプロップトレーダー、その後香港でマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現役トレーダーとして活躍中。
最近はトレーディング以外にも、メルマガやセミナー、講演会などで個人投資家をサポートする活動を開始。週刊東洋経済やマネーポストなど、ビジネス・マネー関連メディアにも寄稿する。
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