2024年 4月 26日 (金)

欧州経済を立て直したドラギ総裁、最後の最後に飛び出すか?「再緩和マジック」!(志摩力男)

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ドイツの10年債金利、日本と同レベルのマイナス0.1%

   ただ、だからと言って景気後退が絶対こないと言っているわけではありません。そのうち、やって来るでしょう。しかしながら、米国経済が相対的に他国よりもよい状況というのは、想像以上に長く続くのではないかと思います。

   ドイツ製造業PMIの悪化に、ドラギ総裁も動きました。3月7日のECB理事会では2019年中は利上げしないと、利上げ時期を先延ばししました。そして、27日の講演では「物価見通しに応じて政策金利の先行き指針を調整していく」。つまり、利上げ時期はもっと伸びると発言。しかも「必要ならば、マイナス金利の副作用の軽減措置を検討する」とまで発言しました。

   軽減措置まで発動するとなると、日本のように無限に低金利が続く状況までも考慮した発言とも受け取れます。欧州の市場金利は急低下し、ドイツ10年債金利はマイナス0.1%前後まで低下しました。日本国債とほぼ同様のレベルです。

   よく「欧州の日本化」と言われますが、事実、そうなっています。要は低成長で利上げできない。マーケットはすでにドラギ総裁が再緩和の「ドラギマジック」を出す前に、先取りしてしまっています。

志摩力男(しま・りきお)
トレーダー
慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券など大手金融機関でプロップトレーダー、その後香港でマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現役トレーダーとして活躍中。
最近はトレーディング以外にも、メルマガやセミナー、講演会などで個人投資家をサポートする活動を開始。週刊東洋経済やマネーポストなど、ビジネス・マネー関連メディアにも寄稿する。
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