2020年 11月 28日 (土)

見えてきた! 2019年後半の相場変動 米中貿易戦争は「新たな長征」習近平の本気度を読む(志摩力男)

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   米中貿易戦争は確実に新しいステージに入った。過去5か月、米国側と劉鶴副首相が交渉を進め、150ページほどの合意文章の作成にまで至ったが、突如、中国側は45ページほどの内容をバッサリ切り落としたものを送り返してきた。

   これを見てトランプ大統領は激怒、あの温厚なムニューシン財務長官までも中国側に強い態度で臨むことで合致した。

  • 米中対立はいよいよ激しくなる……
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中国、米国との合意内容をバッサリ切り捨て

   一方、中国側では、劉鶴副首相を日清戦争の講和交渉時の李鴻章にたとえ、あまりにも米国側に譲歩しすぎており、屈辱的だと批判されたようだ。

   多くの中国国民には、アヘン戦争時の不平等条約締結を想起させるようで、これでは中国国内が持たない。そのため、米中の合意内容をバッサリと切り捨てた。

 

   同様のことは、ニューヨーク・タイムズにも掲載されているが、習近平・国家主席は米中貿易戦争を「新しい長征」と発言している。

   「長征」(1930年代半ば、毛沢東率いる紅軍・中国共産党が、国民党軍と交戦しながら中国内を移動し続けることで相手を疲弊させる戦略)になぞらえるのであれば、もう安易な妥協などないということだろう。

参考リンク:ニューヨーク・タイムズ2019年5月21日付

   金融市場で未だによく見られるのは、過度の楽観だ。依然として多くのアナリストは6月に大阪で開かれるG20 で習近平・トランプ会談が行われ、ある程度の合意に至ると想定している。

   なぜなら、中国側が圧倒的に不利な立場に追い込まれることから、中国側はそれを避けようとするだろうと考えられているから。具体的には、中国が米国に輸出している金額が6000億ドルほど。一方、米国が中国に輸出している金額は約1500億ドルだ。よって、お互いが目一杯、貿易黒字に課税したとしても、中国側が持つ弾薬には限りがあるということになる。テレビの解説者は、米国は「余裕綽々」だと解説している。

   だが、その見立てはあまりにも短絡的ではないだろうか?

志摩力男(しま・りきお)
トレーダー
慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券など大手金融機関でプロップトレーダー、その後香港でマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現役トレーダーとして活躍中。
最近はトレーディング以外にも、メルマガやセミナー、講演会などで個人投資家をサポートする活動を開始。週刊東洋経済やマネーポストなど、ビジネス・マネー関連メディアにも寄稿する。
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