2019年 8月 26日 (月)

増える日中直行便 「地方」のきれいな空気、豊かな自然が中国人に「ウケる」!

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「肺を取り換える」旅に出る

   中国では「地方都市」といっても、多くの人口を抱え、工業化の結果、PM2.5をはじめとする大気や水質などの悪化に悩まされている地域も少なくありません。石炭の産地として有名な山西省の太原もいわばその代表の一つといえます。

   こうした都市に住んでいる人たちが、「肺を洗う」旅行と称して休日に郊外の農村部へ出向き、きれいな空気、のんびりした環境や農村料理などを楽しむ流れが強まってきていました。

   さらに、海外で汚れていない空気に触れることは「肺を取り換える」旅行と言います。こうした流れの延長線上に位置づけられるのが、日本の地方への旅行なのだと思います。

   ちなみに、地方を訪れる中国人リピーターは、気前よくお金を使ってくれる傾向にあります。観光庁の「訪日外国人消費動向調査」(2017年)は、訪日10回以上のリピーターの好みや行動を、中国、韓国、台湾、香港の4か国・地域ごとに分析しています。それによると、中国人リピーターには「地方を訪れる割合がほかの国や地域からの旅行客より増える」「旅行支出は4か国・地域で最大」という大きな特徴がありました。

環境改善が遅れる北京。中国ではこうした大気汚染が地方でも深刻だ。
空気が悪い時の北京。中国ではこうした大気汚染が地方でも深刻だ。

   旅行回数が増えれば増えるほど旅行支出は増えていき、10回以上旅行者の支出は、中国(30.2万円)、香港(19.8万円)、台湾(14.6万円)、韓国(8.4万円)という順でした。

   東京に来ても「空気がキレイ」という感想を持つ観光客もいます。ましてや日本の地方には、豊かな自然環境、穏やかな風景、温泉などの天然資源があります。その他にも、中国人たちは異口同音に「中国と比べると、日本の農村部は、民家の様子や道路まできれいに整っていることに驚く」と語ります。いわば地方の人たちの暮らし方そのものも「魅力」と映っているわけです。

   受け入れる日本側としては、「中国人客が何を求めて日本の地方に来るのか」に、もっと意識を向ける時が訪れていると思います。求められるニーズがわかれば、サービスもそれに合わせて向上し、インバウンド消費はもっと活性化するはず。日本の各地方でそういう流れが大きくなっていけば、「観光立国」の実現はグンと近づくでしょう。

山本 達郎(やまもと・たつお)
1980年生まれ、慶応大卒。2006年に北京でネットマーケティング会社を創業。2015年、中国向けメディアやインバウンド・越境ECプロモーション事業を行う株式会社クロスシーによる買収に伴い、同社執行役員に就任した。
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