2020年 1月 28日 (火)

「腕がいい」「経験がある」なんて錯覚...... 個人など組織を離れれば「タダ」の人(大関暁夫)

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企業は会社の「看板」があるから取引してくれた

   私はY社長と別れると、その足でHさんの「本社」に戻って、今聞いた社長の感想をお伝えしました。それを受けたHさんの強い口調での反論が冒頭の「会社の見てくれなんてどうでもいいじゃないか」という言葉でした。

   Hさんの気持ちもわからなくはないのですが、この手の話は大企業を経て独立された方にありがちな過ちでもあるのです。

   つまり、大企業の勤務時に意識していなかった企業の看板やブランド、すなわち「信用力」という見えない力で外部の企業が取引してくれていた、仕事が取れていたのだということを考えることなく、独立してからも同じように自分の仕事に信用力があるかの如き錯覚に陥ったままビジネスをしてしまうという過ちです。

   要するに、大企業のサラリーマンは、たとえ役員であろうとも大部長であろうと、Hさんのように多くの特許取得に貢献した社内カリスマ技術者であろうとも、著名経営者らごく一部の人を除いては組織を離れれば「タダの人」なのです。

   つまり、組織を離れて起業したならば、ほとんどの人は「タダの人」であることを十分に意識した立ち振る舞いをする必要がある、ということなのです。

   ならば、どうすればよいのか――。一番必要なことは、第一印象をよくすること。特に大切なことは、「怪しくない」ことなのです。

   独立起業した自分のスタート時の信用力がゼロであると仮定するなら、「怪しい」印象を少しでも相手に植え付けてしまったなら、どんなに素晴らしい技術や製品・商品やサービスを提供しようとしていたとしても、相手は「怪しい」と感じる相手と進んで取引しようとは思わないのです。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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