2024年 4月 19日 (金)

【SDGsニュース】「吉本興業×SDGs」の転落 テレビ頼みで「エセ優等生」に祭り上げた政府の罪

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   「SDGs」(持続可能な開発目標)は、国際連合に加盟する150を超える国・地域が参加する国際的な取り組みです。「持続可能な開発」のために、17のグローバル目標と169のターゲット(達成基準)を定めました。もちろん日本も、安倍晋三首相の肝いりで推進しています。

   「SDGs推進本部」を立ち上げ、安倍首相自身が本部長に着任。副本部長を内閣官房長官、外務大臣が務め、他のすべての国務大臣が本部員となっています。

   SDGsをオールジャパンの取り組みに拡大していくために、SDGs達成に資する優れた取り組みを行っている企業・団体等を、SDGs推進本部が選定して表彰する「ジャパンSDGsアワード」を設けたのです。

   吉本興業は2017年12月の第1回ジャパンSDGsアワードで、「特別賞 SDGsパートナーシップ賞」の表彰を受けました。

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吉本興業のSDGs活動の実態

   吉本興業のSDGs(持続可能な開発目標)活動概要として、「吉本グループ全体でのSDGs意識涵養(かんよう)の共有。吉本興業が実施するイベント、メディア、コンテンツと連動し、多数の所属タレントを起用したSDGsの広範多様な発信啓発。地域と連携した地元振興PRや、被災地への訪問活動など、『誰も取り残さない』ための実践的取り組みを推進する」ことです。

   具体的な活動の内容は、

(1)SDGsの啓発アニメーションやPRCMの製作・上映
(2)SDGs啓発スタンプラリーの実施
(3)SDGsをテーマにしたお笑いコンテスト「SDGs-1グランプリ」
(4)SDGs吉本新喜劇などを幅広く実施するとともに、多様なステークホルダーとの連携活動を展開した

―― となっています(吉本興業の「第1回 ジャパンSDGsアワード」のニュースリリースから)。活動にあたり、社員や所属タレントを対象にSDGs勉強会を実施したともありました。

   表彰から1年半を過ぎた現在、Web上で啓発アニメーションは見当たりません。PRCMはYouTubeに複数ありますが、再生回数は1万以下で少ないものは2000回程度です。SDGs啓発スタンプラリーは沖縄県でのイベントで行われただけ、「SDGs-1グランプリ」は一度しか開催されていません。

   SDGsの日本語訳は「持続可能な開発目標」です。SDGsの事業を立ち上げたのなら、2030年までの継続事業であるべきです。

   国際連合広報センターのホームページにある日本の「持続可能な開発に向けた行動」には、民間との連携事例として「笑いでSDGsを推進」のタイトルで、吉本興業と同センターの取り組みを紹介しています。国としても何らかのアクションを起こすことが求められていたとみられ、こうしたことから、当時のSDGsアワードの評価基準もかなり緩く、ほとんど期待値だったことがうかがえます。

清水一守(しみず・かずもり)
清水一守(しみず・かずもり)
一般社団法人SDGs大学 代表理事/公益財団法人日本ユネスコ協会連盟・ユネスコクラブ日本ライン 事務局長/英国CMIサスティナビリティ(CSR)プラクティショナー資格/相続診断士
日本大学文理学部を卒業。大学では体育を専攻。卒業後、家業である食品販売店を継ぐも新聞販売店に経営転換。地域のまちづくりとして中山道赤坂宿のブランド化を推進した。その後CSR(企業の社会的責任)の重要性を学び、2018年7月から名城大学で「東海SDGsプラットフォーム」として月2回の勉強会を開催中。SDGsを広めるための学びの場として2019年9月に一般社団法人SDGs大学を開校。現在、SDGs認定資格講座やSDGsイベントなどを開催中。
岐阜県出身、1960年生まれ。
一般社団法人SDGs大学
SDGsを広めるために、誰もが伝道師となるような認定資格講座を3段階で設定。SDGsを学ぶきっかけの資格としてSDGsカタリストから始まり、その上位資格としてのアドバイザー資格、さらにカタリストを育成するカタリストトレーナー資格を設け、2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsを他人事ではなく、『ジブンゴト』としてとらえ、実践していけるようにSDGsの研究・周知・教育を行っています。校訓として学び・実践・達成・及人を掲げ、物心両面の幸せを追求し、真の『自分ごと』を探求できる学びの『場』として、誰もが参加ができるインラインによる「SDGs大学プラットフォーム」、「SDGsキャンプ」などのセミナー、イベントを提供しています。
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