オーダーからリフォーム、スクールまで展開するハワイアンジュエリー専門店「プアアリ」
2019.08.20 12:00
0
「1点もの」というこだわり
――「プアアリ」設立の経緯、当時の様子を教えてください。
松尾さん「2005年にオープンした当時は、ハワイアンジュエリーの専門店ではなく、一般的なジュエリーのショップとして始めました。私自身はもともと下請けでジュエリーの原型を作っていましたので、自分でお店を開いたらカッコいいかと思って始めたのです。しかし、全然売れませんでした。3年ほど試行錯誤して、売れそうなもの、流行っているものなどでいろいろなブランドを作り、5つめに作ったブランドがプアアリです」
――なぜ売れなかったのでしょうか?
松尾さん「結局『お金が欲しい』というのが目的で、そこに魂がなかったんです。うまく儲けようとしても、その狙いはすぐにバレる。社長の思い入れのないものは、販売スタッフも売れないんですね」
――そこからハワイアンジュエリーに特化された理由は何ですか? 数あるジュエリーがある中で、ハワイアンジュエリーに至った経緯とその魅力を教えてください。
松尾さん「家族より長い時間を一緒に過ごしている社員のことを振り返った時に、自分が本当に思い入れのあることをやらないといけないと気づいたのです。自分もちょうど二人目の子どもが生まれたばかりで、大切な家族が増えたこともあり、子どもたちがハッピーでいてくれたらいいな、と思うようになりました。
少子化や資源の不足など、社会にはさまざまな問題がありますが、子どもが未来の世界で幸せに生きられるようにしたいと考えたときに、ハワイアンジュエリーの考え方にたどり着きました。
ハワイアンジュエリーには、昔の人が未来の人へ伝えていきたいことが、絵や模様として刻まれていて、大切な人や祖先を思う気持ちを持ち続けるために発展してきたのです。こうして、商品の特性にふだんの生活と社員のモチベーションが結びついて、ハワイアンジュエリーのオリジナルブランドに絞ることにしました」
――プアアリのハワイアンジュエリーは「1点もの」へのこだわりがあるようです。プアアリで取り扱っている商品について教えてください。
松尾さん「金属を型に流し込む鋳造ではなく、叩いて密度を高めて彫る鍛造というやり方で作っていて、職人が一つひとつ手作業で仕上げています。ですから、硬くて彫りが深く立体的なのが特徴です。一つずつ作るため、価格もその分高くなりますが、工房でメンテナンスや修理できますので、アフターフォローをすることが可能です。世界に一つしかないジュエリーを長く大切にしていただきたいという思いからです」