2020年 2月 24日 (月)

IR=カジノじゃない! 広さは全体のわずか3% シンガポールではギャンブル依存症減らす効果

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ギャンブル依存症割合、日本は高め

   せっかく造る国際標準のIRなのだから、小さなスペースで効率よく稼げるカジノをやらない手はないというわけだが、ギャンブル依存症をめぐる懸念はどうか――。

   WHO(世界保健機関)や米精神医学会によれば、ギャンブル依存症は明確に精神疾患であり、治療が必要な病気の一つ。「気になるのは『ギャンブル依存症という病気にかかっている人は、日本にはどの程度いるのか』『世界ではどうか』ということ」とシブチン先生。本書では、アルコール依存症の治療などで知られる国立病院機構久里浜医療センターが2017年9月にまとめた調査から推計した「ギャンブル依存症が疑われる日本人の割合」を紹介。その数字は3.6%で、高くても2.4%ほどのカジノが解禁されている国・地域より「高い水準にあると言わざる得ない」のが実情。だが、シブチン先生が医療関係者ら専門家に聞いたところでは、国内の繁華街ならどこにもあるパチンコ・パチスロ店の依存症のリスクを高めているのではないかという。しかし、その因果関係がはっきりしているわけではない。政府は9月4日に発表した基本方針案で、ギャンブル依存症対策の確実な実施を明記している。

   日本が手本にしているシンガポールのIRは、世界最高水準とされるカジノ入場規制を実施。依存症が疑われる人の入場は禁止されるかあるいは回数が制限されている。合わせて3年ごとに、厳格な米精神医学会の診断基準に照らして、ギャンブル依存症が疑われる人の割合を調査しているが、それによると、カジノ開業前の05年には4.1%だった依存症が疑われる人の割合は、開業後の11年には2.6%に低下。17年には0.9%まで下がった。

   「シンガポールでは10年のカジノ開業以前から、競馬やスポーツの勝ち負けを予想するスポーツ賭博が人気。開業前の4.1%という数字は、これら合法ギャンブルの影響が考えられるが、その後の数字を見ていくと、カジノがギャンブル依存症を悪化させたり、スリップ(止めていた人が回帰すること)させたりしてしまう事態は避けられたと言えそう」とシブチン先生。

   本書は、どちらかというと、IRを大きなビジネスチャンスと捉えているのだが、やはり「IR=カジノ」の見方にひっぱられたか、ギャンブル系のリスク対策について紙幅が増えてしまったようだ。

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「IRはニッポンを救う! カジノ? それとも超大型リゾート?」
渋谷和宏著
マガジンハウス
税別1300円

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