2019年 10月 18日 (金)

英国、EU離脱のカウントダウン? いよいよ歴史に残る「blame game」が始まった!(井津川倫子)

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   2019年10月末の離脱予定日まで、あと3週間あまり。英国の欧州連合(EU)離脱騒動に新しい動きが出てきました。

   英首相官邸が「EUは英国との合意に否定的だ」と語ると、EU側は「ばかばかしい責任のなすり合いはやめろ」と応酬。双方が折り合うメドが立たないなか、メディアは「いよいよ激しい戦いに突入した!」と盛り上がっています。

  • 英国のEU離脱騒動は激しい舌戦に突入した!(写真は独フランクフルトのユーロタワー)
    英国のEU離脱騒動は激しい舌戦に突入した!(写真は独フランクフルトのユーロタワー)

「ジョンソンよ、バカなゲームはやめろ!」

   新たな動きは、EU離脱をめぐる英ジョンソン首相と独メルケル首相との電話会談が発端でした。メルケル首相側が「プライベートな会話」だとコメントを拒否する一方で、英首相官邸が「英国が示した妥協案にメルケル氏が難色を示した」と語ったのです。

A No 10 source has said a Brexit deal is "essentially impossible" after a call between the PM and Angela Merkel
(英首相官邸筋は、アンジェラ・メルケル首相との電話会談の後、「離脱条件の合意は本質的に不可能」だと語った)
No 10:英首相官邸、ダウニング街10番地
essentially:基本的に、本質的に

   英首相官邸筋によると、メルケル首相は英国が提案した離脱案に対して「overwhelmingly unlikely」(まったくあり得ない)と強く否定したとのことですが、EU側では「メルケル首相がそんな言葉を使うとは思えない」との疑念が噴出。ユンケル欧州委員長がツイッターで、「ジョンソンよ、ばかなゲームはやめろ」と激しく非難するに至りました。

What's at stake is not winning some stupid blame game
(大事なことは、ばかげた非難合戦に勝つことではない)
at stake:大事なこと、危機に瀕していること
blame game:非難合戦、責任のなすり合い

   ユンケル委員長は続けて、「大事なことは、国民の安全や利益とヨーロッパと英国の未来だ」と投稿。まさに正論そのものの反論に、英国内からも「ユンケルの言うとおりだ」といった声が相次いでいます。

「激しい舌戦」に沸くメディア

   英メディアによると、「非難合戦」は名門オックスフォード大学の弁論部で鍛えたジョンソン氏の「お得意の手口」だそう。しかも今回は、「EUに拒絶された被害者」を装うことで責任逃れをしようという計算だと分析しています。

   英国民に「EU側の非」を印象づけたいジョンソン英首相。あの手この手で、巧みに情報戦を仕掛けてくることでしょう。国際政治のトップレベルで繰り広げられる生々しい舌戦に、メディアは「いよいよ激しい戦いに突入した」と沸き立っています。

We are now entering the most intense round of the Brexit blame game
(いよいよ我々は、EU離脱交渉をめぐる非難合戦で、最も激しい戦いに突入した)
intense:激しい、強烈な
round:回戦

   それでは、今週の「ニュースな英語」は「blame game」を取り上げます。「blame」(非難する)「game」(ゲーム)を組み合わせて、「非難合戦」「責任のなすり合い」という意味で使います。

Play the blame game
(罪のなすり合いをする)

   「Don't」を使って、「~するな」という言い方です。

Don't play the blame game
(罪のなすり合いをするな)

   「Stop」を使うと「~をやめろ」というニュアンスになります。

Stop blame game over air pollution
(大気汚染に関して罪のなすり合いをやめろ)

   欧州委員長のユンケル氏は、「Quo vadis?」ということばを、ジョンソン英首相に投げかけてツイッターを締めくくっています。「クォ・ヴァディス」とはラテン語で「(あなたは)どこに行くのか?」という意味。ジョンソン氏が、そして英国がどこに向かっているのか......。まだまだ「blame game」は続きそうです。(井津川倫子)

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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