2019年 11月 15日 (金)

若くして出世する人「鈍感」で「自己肯定感」が高い 性格分析調査で明らかに

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   会社の中では偉くなる人とそうでない人がいるが、20代~30代のうちから役職につく人物は、いったいどんな性格をしているのか――。

   それは、「鈍感力」と「自己肯定感」が並みの人より高い人が出世コースを驀進することがわかった。

   性格診断を活用した採用・教育支援ツール「性格ナビ」を提供するプロセスジャパンが2019年10月11日に発表した「若手役職者の性格傾向調査」で明らかになった。

  • 若くして出世する人の秘密は?
    若くして出世する人の秘密は?

自分だけでなく他人も思いやり認める能力

   調査では、20代~30代を中心とする役職者91人を対象に「性格ナビ」で性格傾向を診断し、直近の1か月間で「性格ナビ」を診断した3858人のデータと比較した。「性格ナビ」では、「知らない人とすぐ話ができる」「パーティー、イベントは企画する側だ」「聞き役より話し役」「常識を重視する」など数多くの質問に対し、「とても当てはまる」から「当てはまらない」まで4段階で答える。

   その回答によって、自分と他者(世間を含む)の捉え方を以下の4つに分類し、どのように捉えているかを診断する。

(1) I'mOK / You'reOK(私は正しい、あなたも正しい)
(2) I'mOK / You'renotOK(私は正しい、あなたは間違っている)
(3) I'mnotOK / You'reOK(私は間違っている、あなたは正しい)
(4) I'mnotOK / You'renotOK(私は間違っている、あなたも間違っている)

   このうち、(1)の「I'mOK/ You'reOK(私は正しい、あなたも正しい)」という人生の構えが、「誰しもが尊重され、生きるに値する存在である」という認識のもと、他者と肯定的な関係を作り出すことができる考え方であり、最も生きやすく、本当の意味で自己を肯定している性格だという。つまり、自分だけ肯定しても、他者を否定しては本当の自己肯定でないというわけだ。

   今回の調査では、この「自己肯定」の割合が、一般の人では34%しかいなかったが、役職者では半数以上の53%に達し、役職者は自己肯定感の高い人が多いことがわかった。=図1参照。

   ただし、「出世したから自己肯定感が高まったのか、自己肯定感が高いから出世したかは判定できない」としている。

(図1)「人生の構え」を表す役職者と一般の人の差
(図1)「人生の構え」を表す役職者と一般の人の差

   プロセスジャパンの佐藤由紀子代表はこう語っている。

「人間は自己を肯定する範囲でしか、他者を肯定できません。ですから、自己肯定感が高い役職者と、低い役職者とでは、部下(他者)をマネージメントする領域で差が出ると想定しています」

   自己肯定感が高い人ほど、優れたリーダーシップを発揮するというわけだ。

些細なことで揺るがない「鈍さ」こそ出世の秘密

   調査ではさらに人間の基本的な性格特性を表す5つの因子のデータも比較した。次の5つだ。プロセスジャパンでは以下のように性格分析をする。

(1)外向性:報酬への反応の度合い。より高い給料、高い地位を求める。
(2)神経質傾向:恐れへの反応の度合い。警戒心が強い、安全と感じるまで努力する。
(3)勤勉性:自己抑制の度合い。目先の報酬にとらわれず、自己をコントロールできる。
(4)調和性:他者への配慮。他者を助け、調和的な対人関係を保つ。
(5)開放性:心の連想の広がり。高い感受性を持ち、思考が広がる。

   この5つの調査結果をみると、役職者は「外向性」「勤勉性」「調和性」で、一般の人より高いポイントが出た。「開放性」がほぼ同じだった。特に顕著な差を示したのが「神経質傾向」で、一般の人の平均が0.77ポイントなのに対し、役職者では0.62とかなり低かった=図2参照。

(図2)性格特性を表す5つの因子の差
(図2)性格特性を表す5つの因子の差

   「神経質傾向」は、不測の事態や脅威に対して敏感に反応する度合いを示しており、この性格のポイントが高いと、何事につけてネガティブ思考になりやすい。逆にポイントが低いと、恐れに対して鈍感であり、ネガティブ思考に陥ることが少ない。

   「鈍感力」とは作家・渡辺淳一氏の著作で有名になった言葉だ。シャープで、鋭敏なことが優れていると世間では思われているが、本当にそうなのか。渡辺氏は、些細なことで揺るがない「鈍さ」こそ、生きていく上で最も大切で、源になる才能だと説き明かした。苦しいことや辛いこと、気が落ち込むときにも崩れず立ち上がって、前へ向かって明るく進んでいく。「鈍感力」はそうした楽天主義を生んでいく。

   若くして出世する人は、「自己肯定感」と「鈍感力」という明るさがパワーの源だったというわけだ。

(福田和郎)

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