2020年 11月 28日 (土)

決着の兆し? 英国の政治混乱 EUとの関係を「歴史」で紐解くと見えること(小田切尚登)

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   英国がEU(欧州連合)を離脱することを国民投票で決定したのが2016年6月23日。それから3年余りが経った。

   その間の英国の政治の混乱は目を覆うような状態であったが、ようやくここ数日で決着しそうな状況となってきた。

  • 英国のEU離脱は、本当に決着したのか?(写真は、ロンドン)
    英国のEU離脱は、本当に決着したのか?(写真は、ロンドン)
  • 英国のEU離脱は、本当に決着したのか?(写真は、ロンドン)

ドーバー海峡は「深い」

   EU(欧州連合)は、ひと言でいえば西側ヨーロッパの諸国が協調して頑張っていこう! という仕組みである。もともとは20世紀前半に、二度の世界大戦がヨーロッパ発で起きてしまったことの反省からスタートしている。

   戦争で互いに殺しあうようなバカなことは止めて、みんなで協力して平和と安定を得ようということだ。当初は経済とエネルギーの分野での統合が進められたが、次第に政治、経済、外交、安全保障、司法など広範な領域をカバーする地域統合体に成長していった。フランスやドイツ、イタリアなどのヨーロッパ大陸諸国の多くが、これを推進していった。

   しかし、これに今一つ乗り気になれなかったのが、英国だった。1973年に遅ればせながらEUに加盟したものの、通貨はユーロを導入せず、ポンドが使われてきた。そして今回の離脱劇である。なぜ英国はEUと距離を置こうとするのだろうか?

   英国とフランス、そしてヨーロッパ大陸を隔てているのはドーバー海峡だ。ドーバー(英国)から対岸のカレー周辺(フランス)までは意外に近く、最短距離は33.3キロメートルほど。天気が良い日には対岸がはっきり見える。これは、たとえば日本と韓国(福岡と釜山)の距離の数分の1に過ぎない。

   とはいえ、近いとはいえ英国とヨーロッパ大陸の間には、厳然たる心理的距離感が存在していることも事実だ。英国例外主義(ブリティッシュ・エクセプショナリズム)という言葉がある。簡単に言えば、「英国は特別」ということだ。

   英国人の頭の中には、英国とヨーロッパ大陸諸国は別々の存在で、その二つがいわば対等な形で並立しているという発想がある。英国はヨーロッパの一部の地域として矮小化されるのではなく、「世界の中の英国」として独自の存在感を発揮していくべきだ、ということだ。

小田切 尚登(おだぎり・なおと)
小田切 尚登(おだぎり・なおと)
経済アナリスト
東京大学法学部卒業。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバなど大手外資系金融機関4社で勤務した後に独立。現在、明治大学大学院兼任講師(担当は金融論とコミュニケーション)。ハーン銀行(モンゴル)独立取締役。経済誌に定期的に寄稿するほか、CNBCやBloombergTVなどの海外メディアへの出演も多数。音楽スペースのシンフォニー・サロン(門前仲町)を主宰し、ピアニストとしても活躍する。1957年生まれ。
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