2024年 4月 23日 (火)

子どもの発熱でよく休む時短ママ、同僚の「夫に休んでもらうわけにいかないの?」に大ショック 専門家に聞いた!

「育児を経験すると、夫自身のマネジメント能力が磨かれる」

――しかし、投稿者の意識は「夫が本社に栄転したばかりで応援したい」「育児のことでもめたくないので、負担してほしくない」というものです。こうした考え方についてはどう思いますか?

川上さん「夫がつかんだチャンスを応援したい、仕事に集中させてあげたい、というのは健気な思いなのだと感じます。しかし、健気だから同僚に迷惑をかけてもよいはずはありません。ワガママととらえられても仕方がないと思います。一方で、ただでさえ3人の未就学児を育てるのは大変なのに、仕事もしている中で、夫に心配をかけたくないと投稿者さん一人で悩みを抱え込んでしまうと、投稿者さんの心身の健康にも影響が出てしまわないか心配です。
また、気になるのは、投稿者さんが時短勤務であっても問題なく業務が回るよう配慮された上で業務体制が設計されていたかどうかです。もし上司や会社側が運用を正社員2人に任せきりにしてきたのだとしたら、そもそもの業務体制に無理があったように見えます」

――なるほど。確かに少数ですが、「少人数なのに、正社員のどちらかが出てこなくてはいけないという会社の体制にも問題がある。上司に掛け合うべきだ」という意見もありました。

川上さん「業務体制の構築は本来、投稿者さんが職場復帰する前に解決されていなければならない問題です。事前の業務設計が不十分だった可能性は否定できません。投稿内容を見る限り、職場の業務体制はいつ破綻するかわからない危機的状況にあります。そしてその状況が1年も放置されています。上司や会社はその状況を一人で支えてきた同僚の方の負荷を速やかに軽減してあげてほしいと思います」

――一方で投稿者側の具体的な解決策として、「病児保育、ファミサポを利用する、夫婦の親兄弟姉妹親戚に頼る、病児シッターを雇う...」といった方法を提案する声もあります。川上さんなら、投稿者にどんなアドバイスをしますか?

川上さん「投稿者さんが対処策を検討する上で、踏まえておくべき観点が3つあります。一つ目は、すでに待ったなしの状況だと認識すること。これ以上同僚に負荷がかかる状態は避けなければなりません。もはや状況は投稿者さん自身の気持ちの持ちよう云々の次元ではありません。職場の当事者の一人として、業務体制の崩壊が迫っているという危機意識を持つ必要があります。
二つ目は、業務における改善策を図ることです。今後も当面は、お子さんが熱を出す可能性があると思います。その際の業務カバーをどうするのか。同僚の方にカバーしてもらう以外の方法を考える必要があります。急な休みでも大丈夫なように業務のやりくりを試みたり、上司に業務体制の見直しを依頼したり、在宅勤務でも対処できる仕組みを検討したり、といったことが考えられます。
三つ目は、休まなくて済む育児カバー体制をご家庭内で構築することです。多くの人がアドバイスしているように、外部の力を借りることも一つですし、夫に育児に関わってもらうことも一つです。投稿者さんは、夫が育児をカバーすると夫の仕事に支障をきたすと考えているようですが、一方的な決めつけになっている可能性もあります」
「もし夫の会社で男性の育児に対する意識改革を課題視していれば、育児に携わりながら仕事で成果を出す方が、むしろ夫の評価が高まることも考えられます。また、夫が育児を経験することで、夫自身の職務遂行能力やマネジメント能力がさらに磨かれる可能性もあります。まずは、夫の意見を聞いてみてはいかがでしょうか」

(福田和郎)

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