2019年 12月 10日 (火)

レトロなビルの小さな店内に広がるディープな少女漫画の世界(Vol.4 「くだん書房」)

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「くだん書房」はレトロなビルの3階にある
「くだん書房」はレトロなビルの3階にある

   神保町駅A5出口から徒歩2分、レトロな雰囲気漂う高瀬ビルの階段を登って3階の右奥に、「くだん書房」はある。決して広くはないスペースは、とにかく少女漫画でいっぱいである。

   四角い部屋の3辺、その中に2列の書棚が並び、棚の間隔は一人分ほどのスペースだ。棚から溢れた本は床に高く積まれる。書店というより、書庫に近い雰囲気。迫力こそあれ、重苦しくないのは、並ぶ本のほとんどに、ニッコリ笑う少年や少女が描かれているからだと気づく。

エンジニアから古書店の店主へ

   「くだん書房」は、少女漫画や漫画雑誌をメインに取り扱う古書店。店主の藤下真湖さんは2002年2月にこの店を立ち上げた。もとはエンジニアとして会社勤めをしていた。古書好きが高じて一念発起、神保町に店を構える。初めは民俗学や歴史ものなどを中心に展開していたが、古書店街の神保町の中で専門性を高めるために、少女漫画を商品の主軸にしたという。

   取り扱う商品は1960~80年代の少女向けの雑誌やコミックス(またその付録)、70~90年代の同人誌。商品の情報はすべてデータベース化され、目録としてホームページで見ることができるのが、最大の特徴だ。人気の高い商品は、情報をアップデイトした途端に売れてしまうこともあるという。お客さんの7割が女性で、子どもの頃に読んでいた作品を求めてやって来る。

   藤下さん曰く、「単行本にならなかった作品や、雑誌のカラーページになっているもの、作品が新連載で掲載された号などを、ピンポイントで探して来られる人が多い。イタリアから、ある作家の作品を求めてやってきたお客さんもいた」その熱意には驚いた。

   「サラリーマン時代よりも、自由に工夫できる今の仕事は性に合っている。お客さんと接することの楽しさも知った」と、藤下さんは語る。

「ここ(店内)に入りきらない商品は自宅に保管してあるので、家は倉庫のような状態だ」

と笑う。

   レジの奥にはちょうど藤下さんがぴったりパズルのピースのようにはまるスペースがある。販売から経営まで一人でこなす藤下さんにとってこの場所は、職場であり書斎である。秘密基地にお邪魔したようなワクワク感を覚えた。

店内はまるで秘密基地
店内はまるで秘密基地
なかざわ とも
なかざわ とも
イラストレーター
2016年3月学習院大学文学部卒。セツモードセミナーを経て桑沢デザイン研究所に入学、18年3月卒業。趣味は、宝塚歌劇団、落語、深夜ラジオ、旅行。学生時代より神保町に惹かれ、現在フリーペーパー「おさんぽ神保町」の表紙や本文のイラストを手掛けている。 1994年、東京都生まれ。
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