2020年 6月 5日 (金)

嘆かわしいぞ、日産 ゴーン氏が導いた「自己利益優先」のインモラル体質の果て(大関暁夫)

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   年末年始のテレビワイドショーは、カルロス・ゴーン前日産自動車会長の不法出国の話題で持ちきりでした。

   楽器ケースの中に隠れて出国手続きを逃れたとか、プライベートジェットで関西国際空港の警備のスキを突いたとか、元グリーンベレーを含むプロの脱出コンサルタントに億単位の費用を払って脱出プランを依頼したとか......。

   続々明らかになるスパイ映画まがいの事柄に注目が集まり、事実以上にセンセーショナルな話題になっていることは確かなようです。

  • カルロス・ゴーン氏は日産自動車に大きなツケを残した(2014年撮影)
    カルロス・ゴーン氏は日産自動車に大きなツケを残した(2014年撮影)
  • カルロス・ゴーン氏は日産自動車に大きなツケを残した(2014年撮影)

モラルなき経営者は退場を余儀なくされる

   事実はと言えば、瀕死の日産自動車をV字回復させ、辣腕経営者とうたわれたゴーン氏が、独裁経営の果てに会社の私物化で逮捕され、我が国司法の審判から逃れようとプロを雇って不法な手段を使って海外脱出を企てた、ということ。やり口はいかにセンセーショナルなものであろうとも、不当行為、違法行為であることには違いなく、世界に冠たる大企業を動かしてきたプロ経営者にあるまじき、至ってインモラルな行動であると断言できます。

   いかなる理由があろうとも、インモラルな行動は経営者として失格です。もちろん経営者以前の問題としても、組織の私物化を疑われる身で禁止された海外渡航を正規の手続きを経ずして断行するという不法行為は即アウト。どんな言い訳をしようとも、疑惑追求から逃れるために起こした不法行動であると断罪されることは確実であり、あまりに愚かな行動であったとしか申し上げようがありません。

   モラルのない経営者は退場を余儀なくされるのが今の時代の常識です。日産自動車トップとして過去にいかに輝かしき実績があろうとも、プロ経営者としてのゴーン氏の価値はゼロになってしまったと断言できるでしょう。

   次に、改めて元日産自動車の経営トップの立場でのゴーン氏の責任の重さを考えてみます。まず、目先の問題で申し上げれば、組織の私物化により逮捕されたという事実が日産自動車に与えたブランドイメージの毀損は計り知れず、現実に日産は2020年3月期連結利益で前年比66%減少が予想されているというダメージを被っています。

   そのような流れにありながら、不法行為で追い討ちをかけることは、日産自動車にとってさらなるブランドイメージ毀損になることは確実です。その罪深さへの自覚なき今回の行動は、元日産自動車の経営トップとしても決して許されない行為であると言えるでしょう。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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