2020年 8月 14日 (金)

2020年の相為替場は難解? 状況の移り変わりで「決め打ち」は危ない!(志摩力男の相場展望 その1)

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   2020年の為替相場はどうなるのか――。

   それは、例年以上に難解に感じます。

   2017、2018年と2年連続してドル円相場はあまり大きく動きませんでした。そのため、2019年こそは大きく動くのではないかと期待されたのですが、多くの方がご存知なように、年間の高値と安値の差がわずか8円程度という、史上最も変動幅の少ない一年となりました。

  • 2020年の為替相場は難解かもしれない……
    2020年の為替相場は難解かもしれない……
  • 2020年の為替相場は難解かもしれない……

2019年、1年間でわずか「8円」の変動幅

   ドル円相場が動かないのは、構造的な問題もあるのかもしれません。AI(人工知能)によるトレーディングが一般化し、多くの個人投資家が外国為替市場に容易に参加できるようになりました。

   ただ、多くのAIは相場が上昇すれば売り上がり、下落すれば買い下がるという単純な思想で設計されており、それゆえAIによるトレーディング比率が高まれば高まるほど、市場は厚い売りと厚い買いのオーダーに挟まれることとなって、相場全体が動かなくなる状況に陥りやすくなっています。

   しかし、それでも相場の基礎的条件(ファンダメンタルズ)に変化があれば、相場はその方向に動くはずです。

   日本の経常収支の黒字は比較的大きく、毎年20兆円近い黒字が続いています。しかし、多くは証券投資によるリターンであり、国内に戻るというより、海外に再投資されることになります。

   貿易収支はほぼ均衡しており、かつてのように大手輸出企業による円買いによってドル円相場が崩れるという場面も見なくなりました。その一方、日本企業によるM&Aは依然活発で、毎年10兆円を超える資金が海外企業買収に向かいます。すなわち、証券投資の黒字は海外に滞留し、M&Aなどの資金は毎年海外に向かうので、この面においてはネットで少し円安方向に資金は流れています。

志摩力男(しま・りきお)
トレーダー
慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券など大手金融機関でプロップトレーダー、その後香港でマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現役トレーダーとして活躍中。
最近はトレーディング以外にも、メルマガやセミナー、講演会などで個人投資家をサポートする活動を開始。週刊東洋経済やマネーポストなど、ビジネス・マネー関連メディアにも寄稿する。
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