2020年 9月 28日 (月)

【日韓経済戦争】「まるで日本軍の朝鮮総督」韓国で広がる米大使叩き 米メディアは「人種差別」と激怒するが......

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   韓国でハリー・ハリス米大使に対する政府・与党・市民団体が一体となったバッシングが広まっている。

   米国との同盟関係にひびが入りかねないほど激しいものだが、その理由が「傲慢無礼で旧日本軍の朝鮮総督みたい」というもの。

   「口ひげ」をはやした風貌と母親が日本人という出自から、日本統治時代を想起させるというのだ。米国メディアは「人種差別だ」とカンカンだ。いったいどうなっているのか。韓国メディアで読み解くと――。

  • ひげの風貌が「日本の朝鮮総督みたい」と批判されるハリス米大使(ハンギョレ2020年1月18日付)
    ひげの風貌が「日本の朝鮮総督みたい」と批判されるハリス米大使(ハンギョレ2020年1月18日付)
  • ひげの風貌が「日本の朝鮮総督みたい」と批判されるハリス米大使(ハンギョレ2020年1月18日付)

「たかが大使の分際で内政干渉する傲慢無礼」

   いったいどうして米国のハリー・ハリス駐韓大使(63)が韓国中から袋叩き状態にあっているのか。ハンギョレ(2020年1月18日付)「社説:傲慢きわまりないハリス大使の『主権侵害』発言」が経緯をこう説明する。

   「ハリー・ハリス大使が1月16日、(ロイター通信など外国メディアを集めた)外信記者懇談会の席上で、『韓国が制裁を触発する可能性がある誤解を避けるためには、南北協力のためのいかなる計画も、米国との作業部会を通じて協議した方がいいと思う』と語った。韓国政府が推進している『北朝鮮個別観光』に面と向かって待ったをかけた発言だ。政府は即刻、『対北朝鮮政策は大韓民国の主権に該当する』とハリス大使の発言に反論したが、今後、南北協力事業推進に米国が干渉に出る可能性が大きいだけに、より一層明確な対応が要求される」

   北朝鮮への個別観光は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が年頭記者会見で意欲的に提示した目玉事業の一つだ。北朝鮮との経済協力を通じて国内経済を活発化したい文大統領にとって、個別観光は国際制裁に抵触しない。現に中国をはじめ、諸外国は北朝鮮観光を行っているではないか。個別観光を推進する過程で、米国に説明して理解を求めることはあるだろうが、基本的に米国が「ああしろ、こうしろ」と言う事案ではない、というのが韓国政府の立場だ。

   それなのに、米国政府でもない、一駐在大使の分際で、「制裁」という敏感な単語まで使ってこの問題に割り込むのは内政干渉だと、韓国政府や与党・共に民主党、さらに文政権支持の市民団体が一斉に激怒したのだった。

   ハンギョレが続ける。

「ハリス大使は、越権的で傲慢な発言について韓国国民に謝罪すべきだ。ハリス大使は今回の発言以外にも、何回も度を越える言動で韓国政府と国民の反発を呼んできた。去年(2019年)、GSOMIA(韓日軍事情報包括保護協定)問題が外交争点になった時、一方的に日本政府に肩を持つ発言で物議をかもした。イ・ヘフン国会情報委員長を大使公邸に呼びつけ、防衛費分担金50億ドルを出すよう圧力をかけた。与野党議員と会った席で文在寅大統領が『従北左派』(編集部注:北朝鮮に迎合する左翼グループ)に取り囲まれているのかという荒唐無稽な質問をしたりもした」

   韓国側から見れば、大使としての資質を疑わせる無礼極まりない人物だったのだ。さっそく政府・与党を挙げて集中攻撃に出た。

   大統領府関係者は1月17日、記者団に対し、ハリス大使の発言について「極めて不適切だ。南北協力は韓国政府が決める事案だ」と批判した。与党・共に民主党でも、南北協力事業に「制裁という物差し」を突き付けた内政干渉の威嚇発言だという批判の声があがった。ソル・フン共に民主党最高委員は「内政干渉発言は韓米同盟関係に役に立たない。遺憾の意を表明する」と述べた。また、ソン・ヨンギル共に民主党幹部は「文化放送」(MBC)に出演し、「ハリス大使は朝鮮総督のつもりなのか」と不快感をあらわにした。

「母親が日本人、口ひげの風貌が東条英機のようだ」

   ハリス大使を、今回改めて旧日本帝国の朝鮮総督になぞらえる議論が韓国中に一気に広がったことで、ハリス大使の母国の米メディアの間でも「人種差別だ」と問題になっている。じつは、ハリス大使は2018年7月に韓国に赴任してきた時から「旧日本軍の朝鮮総督のようだ」と嫌われていたのだ。口ひげをたくわえた風貌と、その出自からである。ハリス大使の父親は元在日本米軍の兵士、母親は日本人女性だ。どちらかというと日本人に近い顔つきをしている。

   いわば、ハリス大使の風貌、言動、出自が日本統治時代を想起させるというのであった。

   ハリス氏攻撃の世論を、朝鮮日報(2020年1月18日付)「韓国与党支持者ら、『ひげが日本の巡査みたい』『ハリスを追放せよ』と非難」がこう伝える。

「韓国大統領府と政府、与党・共に民主党は1月17日、北朝鮮関連事業について『制裁順守』を強調したハリス大使を集中的に攻撃した。与党支持者らはハリス大使のひげについて『日本の巡査だ』と指摘するなど、ツイッターを通じて露骨な個人攻撃を始めた。ツイッターには『ハリスは日王(天皇)から旭日章を受け取って赴任した』『大韓民国を植民地と考えるハリスを追放せよ』などの書込みが広まっている。一方、北朝鮮メディア『わが民族同士』がハリス大使を『事実上の南朝鮮(韓国』総督』『南朝鮮をただの植民地としかみない態度』などと批判した」

   北朝鮮までこの期に乗じて「ハリス叩き」に加わったのだ。しかし、こうしたハリス攻撃をニューヨーク・タイムズ、ガーディアン、CNNなど米英などのメディアは一斉に批判している。

   朝鮮日報(1月20日付)「CNN『ハリス大使が日系であることを問題視するのは人種差別』 韓国与党支持層の攻撃に『奇異な非難』」がこう伝える。

   「米CNNは『ひげは顔に生えている毛に過ぎないが、韓国では日帝強占期のころの日本の指導者を連想させる』『東条英機元首相や裕仁天皇(昭和天皇)など戦時の日本の主なリーダーたちはひげを生やしていた』と報道した。さらにCNNは『韓国は人種的多様性がない単一民族社会で、外国人嫌悪症がよくある』と説明している。『ハリス大使は日本人ではなく、米国人だ。米国なら、彼のことを日本系の血統だと呼べば、間違いなく人種差別だと見なされるだろう』と報じた」

「反米」「反日」をあおる一石二鳥の選挙対策?

   米国なら「人種差別」と問題視される「米大使叩き」を、文在寅政権は米国との関係にひびを入れさせてまでなぜ行っているのか。

   朝鮮日報はこう推測している。

「(反米世論を煽ることが)今年4月の国会議員選挙を意識したものとの見方もある。現在、与党などは住宅価格の高騰、就業率の低下、景気不振、韓日対立など、国内外すべての政策において『まともなものが全く見当たらない』との指摘を受けている。与党内からも『政権獲得から4年目になっても南北関係に何の成果がない場合、逆風にさらされる恐れがある』と懸念する声もある」

   そのため選挙前までに金正恩(キム・ジョンウン)委員長の韓国訪問といった大イベントを実現させ、否定的な世論を一気に吹き飛ばしたいと考えているというのだ。そのためには、ハリス大使叩きは「反米」と「反日」の両方をあおる一石二鳥の手だということのようだ。

   一方、とんだトバッチリを受けているハリス大使だが、自身の「ひげ」について、こんな正論を語っている。先の朝鮮日報(1月18日付)がこう伝える。

「ハリス大使は1月16日に行った外信との会見で、鼻のひげを伸ばしている理由について『ただ変化を求めただけ』と説明した。また、『20世紀に日本帝国主義に抵抗した韓国の独立運動家の中にも、鼻のひげを伸ばした人物がいた』とも述べ、安重根(アン・ジュングン=伊藤博文暗殺犯)義士や安昌浩(アン・チャンホ=朝鮮独立運動家)先生をその例にあげた」

(福田和郎)

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