2020年 12月 5日 (土)

深まる経済のデジタル化を生き延びるには「無形資産」に投資せよ! 情報・データが成長の素になる

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日本はビジネスモデル構築で苦戦

   日本では、有形資産投資はGDP比で減少傾向。無形資産投資は増加傾向にあるものの、まだ有形資産に偏った状態。無形資産投資の内容をみると、ソフトウエアや研究開発に対してはGDP比で他の先進国に劣らないものの、組織構造や社内教育などの「経済的競争力」に関する投資が小さく、2000年代以降、減少傾向にある。「技術は進んでいるが、それを市場ニーズに結び付けて高収益につなげるビジネスモデル構築で苦戦している日本企業の平均像がここに表れているともみられる」という。

   無形資産とは、個人や企業のデータ、効率的に生産を行うためのアイデアなど。機械設備などと異なり、使用のたびに減るとか、ある人が使っているときに他の人が使えなくなるということはない。同じ資産を複数の人、企業が同時に使うことができる「非競合的」な性質から、他の企業へも恩恵をもたらす波及効果が大きい。無形資産を広く共有・利用することができれば、その規模に応じて波及効果が生じることになる。

   日本は今後、人口減・高齢化が進行。労働力人口の減少に加え生産性の伸びも鈍り、1人当たりの所得は伸びない。そのうえに、デジタル社会の資源である無形資産への投資が小さいとなると、経済成長率は2030年代半ば以降、マイナス成長の常態化が見込まれるという。だが「デジタル変革に対する適応の仕方次第で、経済社会の姿は良くも悪くもなりうる」のもデジタル資本主義の一面。人口減の日本でもプラス成長が可能なパターンがあり、そのことは章を改めて触れられている。

   本書では、現状の延長線上の標準的未来、改革が実施された場合の未来など、将来の考えられるパターン別に「未来の風景」として、具体的な描写をちりばめた短い物語が収められている。そのなかで、無形資産への投資を怠った標準的未来の物語では、鉄道会社や自動運転車のサービス会社が、利用客らの移動に関するデータ蓄積やシステムなどを米プラットフォーム企業に丸投げし、自社運営で得られた利益を手放したばかりか、高度人材にも逃げられる様子が描かれている。

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「2060デジタル資本主義」
岩田一政、日本経済研究センター編
日本経済新聞出版社
税別1800円

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