きょうは会社の飲み会からの流れで、51歳の人事部長Eさんがいらっしゃいました。いつもは穏やかなEさんですが「今どきの20代は扱い方がわからん!」と、ため息をついています。どうしたのでしょう。さっそく、お話を聞いてみようと思います。「今、会社の平均年齢は45歳。ここ10年、新卒を採用していなかったのですが、社長交代のタイミングで、2019年から新卒採用がスタートしました。5人ほど採用し、そのうちの一人が退職しました。何かとつけては『パワハラだ』と騒ぐ子だったので、正直ホッとしています。ただ、4月からも4人採用予定なので、身を引き締めて、迎えたいとは思っていつつ、不安も入り混じった状態です」「パワハラ」に当たる6つの類型をおさらい2020年6月から、大企業では「パワハラ防止法」(改正労働施策総合推進法)が施行されます。まずは、社内に浸透させていきましょう。社内にポスターを貼っている会社さんも多くなってきていますね。厚生労働省が発表している「パワハラ」には、次の6つの類型があります。(厚生労働省のハラスメント基本情報より)(1)身体的な攻撃(殴る、蹴るなど)(2)精神的な攻撃(暴言など)(3)人間関係からの切り離し(仲間はずれなど)(4)過度な要求(過度なノルマ要求など)(5)過少な要求(掃除しかさせないなど)(6)個の侵害(家族の悪口を言うなど)現在は、家庭でも怒られたことがないという人もいて、社会に出て怒られることにビックリ、そして「パワハラ」と過度に騒ぎ立てるケースもあります。ただ、ハレモノを扱うように部下に接してしまうと、間違っていることも部下に指摘できなくなり、部下の成長を止めてしまうにも繋がります。では、どうしたらいいのでしょう――。現在、飲み会などのコミュニケーションの場が減り、お互いを知る機会が減っています。そのため、上司も世代間の違いを意識したうえで、対処していく必要があります。ここでは、よく指導法として例にあげられる「怒ると叱る」の違いを見ていきましょう。「叱る」のNGワードのパターンを知ろう広辞苑では、「怒る」の意味として「叱る」とも書いてあり、似た意味として扱われているようです。しかし、指導法としての「怒る」は、「ただ相手に感情をぶつけること」、「叱る」は「相手の成長を促すために指摘すること」、と別々の意味として捉えられています。怒りに任せて、怒鳴ってしまったことがある方は要注意。怒るから叱るに変えていきましょう。その日の機嫌、気分によって左右されるのは怒りです。さらに、「叱る」にも注意が必要です。さっそく明日から使えるポイントを、お伝えしていきます。一般社団法人アンガーマネジメント協会の叱る時のNGワードから、抜粋です。(1)過去言葉・前から言っているけど・何度も言っているけど(2)責め言葉・なんで?・どうして?(3)決めつけ言葉・いつも・絶対・必ず(4)程度言葉・しっかり・ちゃんと・きちんと(1)~(4)は、ふだん何気なく使ってしまう言葉ばかりですね。わたしもすべて使ったことがあります。叱り方によって、部下の成長スピード変わります。時代が変化していく中では、上司も努力が必要ですね。Eさん、まだまだ人事部長としての役割はたくさんありますよ。引き続き学びと実践を深めましょう。(ひろ子ママ)
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