2021年 4月 11日 (日)

いないはずの「移民」が支えるニッポン、外国人と上手に付き合うために......

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難民申請は10年以上認められない......

   東京都葛飾区の四つ木周辺には「リトル・エチオピア」と呼ばれる地域がある。80人ほどのエチオピア人が暮らしており、多くは政情不安定な母国から逃れて、短期ビザで入国し難民申請中。クルド人の「仮放免」とは異なり、職業に一定の制限がある「特定活動」という在留資格を認められている人もいる。そういう人でも難民申請は10年以上認められないという。

   外国人のコミュニティーとしてはほかに、東京都新宿区、高田馬場地区にあるミャンマー人の「リトル・ヤンゴン」が知られている。本書では、「ワラビスタン」や「リトル・エチオピア」の住人らの先行きの不透明な暮らしぶりについて報告されているが、その内容は安倍首相らの「移民はいない」という主張の一方で、移民以前の状態の人が少なからず存在することを伝えてもいる。

   著者の芹澤健介さんは、長年、日本在住の外国人の問題を取材してきたライター、編集者。著書に「コンビニ外国人」(新潮新書)、共著に「死後離婚」(洋泉社)などがある。 「旅行者ではなく、生活者として日本で暮らし、働いている外国人が増えている。アパートやマンションのおとなりさんが外国人、という状況もいまでは決して珍しくない」と芹澤さん。「決して珍しくない」にもかかわらず、「移民」がいないことになっているためか、なかなか光が当たることがない「日本社会のなかの外国人」に本書では光を当てた。さまざまな移民先進地域が紹介されているのも、その狙いの一つだ。

   本書ではほかに、高齢人口を多く抱える大規模自治体ばかりか、山中の過疎に悩む小さな自治体までもが、独自に外国人材の発掘に乗り出している様子などについてのルポや、関係者のインタビューも盛り込まれ、日本の「移民」について、立体的にアプローチできる一冊。

「となりの外国人」
芹澤健介著
マイナビ出版
税別850円

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