2021年 8月 4日 (水)

史上最長の景気が終わった!? 「熊」の出現におびえる「マーケット英語」最前線(井津川倫子)

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   世界の金融市場が大荒れに荒れています。連日のように1000ドル近いアップダウンを繰り返していた米ニューヨーク株式相場の下げ幅が拡大して、いよいよ「ベア・マーケット」(弱気相場)に突入したと報じられています。

   2009年1月から史上最長の「ブル・マーケット」(強気相場)が続いていたそうですが、それにしてもなぜ、「ベア(熊)」や「ブル(雌牛)」といった「動物」が金融に関係するのでしょうか?

   マーケット英語を調べてみたら、意外にもおもしろい発見がありました。

  • マーケットに「熊」が出没……
    マーケットに「熊」が出没……
  • マーケットに「熊」が出没……

「熊」が腕を売り下ろす動作が「弱気」だと言われても......

   新型コロナウイルスの世界的な流行が強まるなか、世界の金融市場が乱高下を繰り返しています。世界保健期間(WHO)の「パンデミック宣言」がダメ押しとなって、世界経済のけん引役であるニューヨーク株式相場が大幅下落して「弱気相場入り」したと報じられました。

Dow hits bear market after WHO declares coronavirus a 'pandemic'
(WHOの「パンデミック宣言」の後、ダウは弱気相場に突入した)
hit bear market:弱気相場入りする

   「bear market」(ベア・マーケット)とは、市場において下落が続いていることを指し、「弱気相場」「下げ相場」とも呼ばれます。具体的な数値設定はありませんが、直近の高値から「2割以上の下落」が「弱気相場入り」の目安だといわれています。

   「bear market」の「bear」は「熊」で、直訳すると「熊相場」です。

   どちらかと言えば「熊」には強くて凶暴なイメージがあり、違和感が拭えません。「熊相場」という言葉からは、「熊」たちが鼻息荒く、強気の取引をしている姿を連想しがちですが、実際は、熊は上から下に向かって爪を振り下ろすという動作をすることから、相場が下落する様子を熊の姿に重ねてこのような呼び方になったそうです。

   確かに、マーケットの動きを示す折れ線は、熊が手を振り下ろすような急激な下降線を描いています。実生活で、あまり熊には遭遇したくないですが、大荒れする金融市場でも「熊」にはお目にかかりたくないもの。「熊」に遭遇して「死んだふり」どころか、ほとんど「死に体」になってしまった投資家も多いのではないでしょうか。

気がつけば「史上最長の雄牛相場」が終わっていた

   「bear market」(弱気相場)の反対は、「bull market」(強気相場)になります。「bull」「雄牛」で、雄牛の角が高く上につきあがっていることが、相場の上昇が続いている市場を表すとして、「ブル・マーケット」と呼ばれるようになったそうです。一般的に「ブル・マーケット」の時は景気がよいとされています。

   ちなみに清涼飲料水の「レッドブル」は「赤い雄牛」という意味で、太陽を背に2頭の赤い雄牛が角を突き合わせている商標デザインが有名ですね。

   まあ、「bull」(雄牛)が「強気」というのはわかる気がします。それでも、じつはリーマン・ショック直後の2009年1月から史上最長の「bull market」(強気相場)が続いていた、というニュースには意表を突かれました。好景気の実感が乏しく、「へえ、そうだったんだ~」といったところでしょうか。

The Dow Jones closed 20% below its February high, officially ending its longest bull market
(ダウジョーンズが2月の最高値から20%下落して終わり、最長の強気相場の終わりが明らかになった)

   米ブルームバーグ通信は、2009年1月にひっそりと始まった「強気相場」が、同じくひっそりと終わりを告げた、と表現していましたから、同じように実感が乏しい人も多いのでしょう。

   それでも、一部の資産家たちがおいしい思いをした「史上最長の強気相場」と違って、「弱気相場」の影響は一般庶民にも及びます。ヒトやモノの移動や活動が制限されることで、さまざまな経済活動に悪影響が広がることでしょう。

   この先どんな世界不況が待ち構えているのか......。残念ながら、しばらく「雌牛」にはお目にかかれそうにありません。

   それでは、「今週のニュースな英語」は、金融市場が「下落する」という意味のマーケット英語をご紹介します。以前も書きましたが、「マーケット英語」は万国共通ですし「bear market」や「bull market」のように単語だけで意味が通じる場合が多いです。こういった定型のビジネス英語は意外と簡単なので、積極的に使ってみてください。

The Dow Jones dropped(ダウジョーンズが下落した)

   副詞の「大幅に」「鋭く」という意味の「sharply」を加えます。

The Dow Jones dropper sharply(ダウジョーンズが大幅に下落した)

   もっと大願に下落した時は、動詞「plunge」(突っ込む、投げ込む)を使います。「急落する」というニュアンスで、最近よく目にする単語です。

The Dow Jones plunged(ダウジョーンズが急落した)

   前置詞の「by」を使って、金額や比率を加えます。

The Dow Jones plunged by almost 1,500 points, or 5.8%
(ダウジョーンズは、約1,500ドルつまり5.8%急落した)

   もっと簡単な表現もあります。

Japan's Nikkei was 1% lower(日本の株価は1%下落した)

   私自身、投資はしていませんが、米国のマーケット情報はダイナミックでおもしろく、定型の英単語を覚えたらラクに読めるので、日々チェックをしています。時差の関係で朝起きて、すぐにチェックをすれば最新のマーケット情報がゲットできます。

   世界の動きも見えてきますから、オススメの英語勉強法です。(井津川倫子)

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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