【SDGs実践編】目標達成をさまざまな「道」からアプローチ 「17のゴール」すべてを目指す大和証券グループ

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「若手社員が率先して取り組んでいます」

―― 大和証券の取り組みは、いかがでしょう。

   川那部室長「当社では、2008年に本邦初の個人向けの『ワクチン債』を引き受けていて、個人投資家にその債券を買っていただいています。その資金が発展途上国の方々にワクチンとして提供されるという仕組みなのですが、そういった商品がより注目を浴びています。このところ、債券はあまり金利がよくないので、個人向けには売っていないのですが、機関投資家向けではグリーンボンドが売れ筋です。SDGsへの関心の高さ、時代の潮流を感じています。当社では、そういったインパクトインベスティメントが利益に占める割合が小さく、そうなると、『本業を通じて社会課題を解決している』とは言いづらくなります。今、我々がやらなければならないことは、その割合を拡大させて、本業で貢献している部分をより増やしていこうということです。
社内向けには、取り組みの一環として2018年に『SDGsブックレット 2018 ~社会に役立つお金の流れをつくる~』を全社員に配布。大和証券グループの企業理念とSDGsへのアプローチの仕方を、具体的に取り上げました。たとえば、SDGsの目標の『1 子どもの貧困問題解消へ』の取り組みとして、パブリックリソース財団とともに『こどもスマイルプロジェクト』をスタートしています。証券会社の本業を通じて、法人から個人のお客様まで幅広くお取引していただいています。(SDGsの)17の目標の達成に向けて、さまざまなアプローチの仕方が考えられ、一つでもそのターゲットに向けて取り組んでいきたいと思います」

―― SDGsの取り組みに手応えを感じることはありますか。

   川那部室長「なにができるか、なにをするのか、有志の方々が集まって進めていく機会がもてるようになりました。もの凄いパワーなんですよ。キックオフミーティングでは役員が挨拶に立ったのですが、その熱気に驚かれるほどでした。すでにSDGsを知っている新入社員も少なくありません。我々が教えたわけではなく、ふだんから『こういうことができればいいな』と思いながら仕事をしているんです。そういう若手が集まってくれる。
これまで社内には、『なんかよく知らないけど、やっている』みたいな感じが、よくも悪くもあったと思うんですね。それが、たとえば職場のペーパーレスですとか、ゴミの分別ですとかで、『こうしたら、ああしたら』といったアイデアが出てくるようになりました。それはSDGsに積極的に取り組んでいくんだという話を、機会あるたびにいろいろ方法で伝えていることで、若手社員をはじめとした有志が率先して行動してくれているからだと思います。少しずつ社員一人ひとりの中に根付いて、広がればいいと。浸透してきているな、という手応えは感じていますよ」

(J-CASTニュース会社ウオッチ編集部、2019年2月21日取材)

清水一守(しみず・かずもり)
清水一守(しみず・かずもり)
一般社団法人SDGs大学 代表理事/公益財団法人日本ユネスコ協会連盟・ユネスコクラブ日本ライン 事務局長/英国CMIサスティナビリティ(CSR)プラクティショナー資格/相続診断士
日本大学文理学部を卒業。大学では体育を専攻。卒業後、家業である食品販売店を継ぐも新聞販売店に経営転換。地域のまちづくりとして中山道赤坂宿のブランド化を推進した。その後CSR(企業の社会的責任)の重要性を学び、2018年7月から名城大学で「東海SDGsプラットフォーム」として月2回の勉強会を開催中。SDGsを広めるための学びの場として2019年9月に一般社団法人SDGs大学を開校。現在、SDGs認定資格講座やSDGsイベントなどを開催中。
岐阜県出身、1960年生まれ。
一般社団法人SDGs大学
SDGsを広めるために、誰もが伝道師となるような認定資格講座を3段階で設定。SDGsを学ぶきっかけの資格としてSDGsカタリストから始まり、その上位資格としてのアドバイザー資格、さらにカタリストを育成するカタリストトレーナー資格を設け、2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsを他人事ではなく、『ジブンゴト』としてとらえ、実践していけるようにSDGsの研究・周知・教育を行っています。校訓として学び・実践・達成・及人を掲げ、物心両面の幸せを追求し、真の『自分ごと』を探求できる学びの『場』として、誰もが参加ができるインラインによる「SDGs大学プラットフォーム」、「SDGsキャンプ」などのセミナー、イベントを提供しています。
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