2020年 9月 29日 (火)

【日韓経済戦争】日韓衝突から11か月 韓国が「勝利宣言」? 日本の輸出規制中、ついに官民一体で「脱日本」に成功!

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   2019年7月の日本政府による半導体部品の輸出管理強化(輸出規制強化)に端を発した「日韓経済戦争」。韓国で日本製品不買運動の猛烈な嵐が吹き荒れるなど、両国の衝突は11か月にも及んだが、どうやら韓国側の勝利で決着がついたようだ。

   新型コロナウイルスの感染拡大問題に追われ、日本のメディアがこの問題をすっかり忘れていた2020年5月11日、韓国政府が「日本側が輸出規制に指定した3品目すべての安定供給に成功した」と事実上の勝利宣言を行ったのだ。いったいどういうことか。韓国紙で読み解くと――。

  • 日本の輸出規制に打ち勝ったと報じる聯合ニュース(2020年5月11日付)
    日本の輸出規制に打ち勝ったと報じる聯合ニュース(2020年5月11日付)
  • 日本の輸出規制に打ち勝ったと報じる聯合ニュース(2020年5月11日付)

「大変な努力の末、『やればできる!』という自信を得た」

   韓国政府の日本に対する「勝利宣言」は、ソウル市の大韓商工会議所に経済団体代表を集めて行われたた「第2次ポストコロナ産業戦略会議」の場で発表された。韓国ではすでに新型コロナ収束後の本格的な経済再開に向けて動き出しているのだ。

   聯合ニュース(2020年5月11日付)が「日本による輸出規制強化3品目 韓国政府『供給安定した』」で、こう伝える。

「韓国政府の成允模(ソン・ユンモ)産業通商資源部長官は5月11日、日本政府が昨年7月に韓国への輸出規制強化に踏み切った半導体・ディスプレー材料3品目について、供給の安定化を実質的に達成できたと評価した。素材・部品・装備(装置や設備)のうち(日本からの)輸入に頼る割合が相対的に高い100品目も、在庫確保の水準を平均の2~3倍に引き上げたと説明した」

   日本が輸出規制を強化したのは「フッ化水素」「フッ化ポリイミド」「レジスト(感光材、フォトレジスト)」の3品目だ。いずれも韓国の基幹産業である半導体生産に欠かせないものだが、ほとんどを日本製に依存していた。ソン長官によると、昨年8月から政府と民間が一丸となり、「脱日本」に取り組んできた。

   日本製に代えて米国、中国、欧州の製品を使ったり、外資系企業の投資誘致や韓国企業の生産拡大などのさまざまな対策を動員したりすることで、ついに供給の安定化を達成したという。

   聯合ニュースが続ける。

「フッ化水素は韓国企業が生産能力を2倍に増強できる工場を新増設するなど、国内の需要に十分な供給能力を確保した。米国や中国製品の試験も終え、一部の製品は現場に投入された。(難関だった)フォトレジストは欧州製品へと調達先を多様化した。米化学大手デュポンが韓国に生産施設を設けることを決めた。フッ化ポリイミドは、韓国化学大手が独自に技術を確保して供給先と共に試作品をテストしており、供給能力が大幅に向上する見通しだ」

   また、「脱日本」の一環として日本以外からの調達を目指している素材・部品・装備の主要100品目に関しては、338品目に拡大。日本以外の全世界に供給先を広げて、在庫量を週単位から月単位にまで徐々に増やした。たとえば、電子制御装置(1週から1.5か月に)、基板素材(2週から2か月に)、バッテリー主要素材(2週から3か月に)といった案配だ。

   しかも、これらの338品目の供給網のリスクを政府が徹底管理する。各企業が第2次、第3次の下請け会社に至るまで部品の供給・生産状況の情報を共有する一方、政府が開発から原資材・副資材の購買と最終製品販売までにいたるすべての過程をリアルタイムでモニタリングするシステムを用意することにしたというのだ。

   「脱日本」に関しては、官民一体となった一大国策企業態勢で臨むというわけだ。

   ソン長官は、こう語って胸を張ったのだった。

「今では高い費用を甘受しても、主要品目を国産化・多角化しなければならないという共感が企業間にも広がっている。日本の輸出規制措置など需給不確実性の中で、大変な努力の末に素材・部品・装備の供給安定化に大きな成果を成し遂げた。『やればできる!』という経験と自信という大きな資産を得た」

「親日派」美人アイドル議員も吹き飛ばした総選挙での圧勝

「脱日本」を官民一体で取り組んだ文在寅大統領
「脱日本」を官民一体で取り組んだ文在寅大統領

   韓国政府が日本に対してこれほどの自信を持つのには、もう一つ大きな理由がある。4月15日に行われた総選挙で与党・共に民主党が圧勝したからだった。300議席のうち6割の180議席を占めるという韓国政界史上まれにみる完勝ぶりだった。「政権幹部の不祥事」「北朝鮮への腰抜け外交」などの批判を受け、一時は文政権の支持率は30%台にまで下がったが、新型コロナ対策の効果が圧倒的に高く評価され、現在では支持率が70%台に達している。しかも総選挙では「親日派」が軒並み落選、「反日派」が大躍進した。

   文政権を支持している左派系のハンギョレ(5月7日付)「コラム:アベの永続敗戦」が総選挙での象徴的な出来事を、こう伝えている。

「今や韓国の4.15総選挙と安倍政権の新型コロナ対応失敗にともなう日本の世論の変化が新たな局面を作り出している。今回の総選挙の世論は、『親日』を断固として審判した。代表的親日政治家に挙げられていたナ・ギョンウォン議員(自由韓国党)を落選させ、ヤン・スンテ最高裁の強制動員判決遅延に問題を提起したイ・スジン判事(共に民主党)、慰安婦支援団体のユン・ミヒャン正義記憶連帯理事長(共に民主党系)らを当選させた」
「反日」の嵐で落選した「美人すぎる国会議員」ナ・ギョンウォン氏(本人のフェイスブックより)
「反日」の嵐で落選した「美人すぎる国会議員」ナ・ギョンウォン氏(本人のフェイスブックより)

   ナ・ギョンウォン氏は最大野党「自由韓国党」の共同代表で、「美人すぎる国会議員」として韓国政界ではアイドル的人気を誇っていた。それが同じ選挙区で共に民主党の女性新人候補にあっけなく敗れた。破ったイ・スジン氏は、政治的に中立であるべき判事からの立候補という異色の存在だが、実は現職判事時代に最高裁(大法院)に対して「日本企業の徴用工裁判をなぜ遅らせているのか」と異議申し立てを行った「反日」の闘士だ。「親日派」と目されていたナ・ギョンウォン氏は、「反日」の逆風に吹き飛んだ。コロナの「神風」に「反日」の追い風が加わった形だ。

「安倍首相の態度は臆面もないが、両国はコロナで協力すべきだ」

安倍晋三首相は韓国と共同でコロナ対策に乗りだせるか?
安倍晋三首相は韓国と共同でコロナ対策に乗りだせるか?

   同じハンギョレ(5月1日付)の「社説:安倍首相、今になって『韓国と新型コロナ対応で協力』言及」は安倍晋三首相に対する、こんな皮肉で締めくくっている。

「安倍晋三首相が4月29日、新型コロナ事態以後、初めて『韓国との協力』に言及した。参議院予算委員会で立憲民主党議員の質問に『韓国と引き続き新型コロナ対応において協力したい』『韓国は隣国で重要な国』と返答した。安倍政権はこれまで韓国の新型コロナ防疫の成功を無視し、韓国をこき下ろすことに汲々としていた。日本の政府とメディアは、事態の初期に自国の対応を自画自賛し、韓国が医療崩壊状況に陥ったと主張した。3月5日、日本政府は韓国政府と事前協議もなしに突如、韓国人のビザなし入国とビザ発給を中断するなどの入国拒否措置を取った。危機のたびに『嫌韓カード』で支持率を高めてきた」

と、安倍首相の「反韓国」政策を振り返る。

   そして、こう締めくくるのだった。

「安倍首相の態度は臆面がないものではあるが、両国ともに過ぎたことにとらわれている時ではない。新型コロナ対応に失敗して国民を苦痛に陥れた安倍政権は、今からでも隣国の成果を謙虚に認めて、助けを要請する勇気を示さなければならない。韓国政府も日本政府が公式に要請してくれば、新型コロナ根絶のための国際協力レベルでの支援を惜しんではならない。韓日の新型コロナ共同対応は、両国関係を再び修復する出発点になり得る」

(福田和郎)

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