2024年 4月 19日 (金)

【決算ウォッチ】「さすが」トヨタの決算発表だが...... コロナショックからの回生シナリオは思惑どおりに進むのか?

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   トヨタ自動車が2020年5月12日、20年3月期決算と21年3月期業績予想を発表した。

   新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停止をどのように織り込むのかがポイントとなったが、21年3月期の連結営業利益予想を前期比79.5%減の5000億円とした。

   これまで多くの企業が来年3月期の業績予想を見送っているばかりか、決算発表をも先送りするドタバタを演じており、「さすがトヨタ」と言わしめた。しかし、その数字の信頼性はというと......。

  • トヨタ自動車の決算発表会で豊田章夫社長(画像は、トヨタ自動車のホームページより)
    トヨタ自動車の決算発表会で豊田章夫社長(画像は、トヨタ自動車のホームページより)
  • トヨタ自動車の決算発表会で豊田章夫社長(画像は、トヨタ自動車のホームページより)

来年3月期の業績予想、豊田社長の強い意向で発表

   20年3月期の連結決算(米国会計基準)は、売上高が29兆9299億円(前期比1.0%減)、営業利益2兆4428億円(同1.0%減)、純利益2兆761億円(同10.3%増)となった。

   新型コロナウイルスの影響は、連結販売台数の12万7000台の減少などにより、売上高で3800億円、営業利益で1600億円の減少となった。一方、持分法投資利益などにより、純利益は前年比10%以上の増益を確保した。

   新型コロナウイルスが20年3月期決算に与えた影響は20年1~3月にとどまっているため、トヨタの業績にそれほど大きな影響は与えていない。「トヨタ方式」と呼ばれる徹底した管理による生産方式の効果もあるのだろう。しかし、焦点となるのは21年3月期への営業を、どのように捉えているかだろう。

   これまで多くの企業が21年3月期の業績予想を見送っている。これに対して、トヨタは豊田章男社長の強い意向もあって、来年3月期業績予想を発表したことは評価できる。ただ、この予想がどの程度の信頼性があるのかは不透明だ。

   トヨタは21年3月期業績予想を、連結営業収益を24兆円(前期比19.8%減)、連結営業利益5000億円(同79.5%減)とし、純利益予想は未定としている。

   この数字の前提としているのが、世界の自動車市場が4~6月期で前年同期の6割、7~9月期に8割、10~12月期で9割、その後に前年並みに戻るとの予想だ。世界販売台数の計画は、前期比155万7000台(前期比14.9%減)の890万台とした。

   販売台数の減少により、営業利益が1兆5000億円減少すると予想しているが、記者会見で豊田社長は「リーマン時と比べて販売台数の減少は激しいが、企業体質を強化したことで黒字を確保できる」と述べている。

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