2024年 4月 16日 (火)

【日韓経済戦争】泥沼の不買運動が再び? 堪忍袋の緒が切れた文政権が日本をWTOに提訴! 日産、オリンパス、デサントら日本企業続々撤退

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   互いに新型コロナウイルスの感染拡大の被害を受けて、小休止状態と思われていた日韓経済戦争が再び火ぶたを切りそうだ。

   2019年7月、日本の半導体部品輸出規制(輸出管理強化)で開戦したが、第2ラウンドは、その日本側の措置を「違法」だとして韓国側がWTO(世界貿易機関)に提訴することで突入する。

   折しも、再燃した日本製品不買運動により日産自動車、デサント、オリンパスなどの日本企業が続々と韓国撤退を余儀なくされている。いったい、この泥沼の対立はいつまで続くのか。韓国紙で読み解くと――。

  • 再び「反日」に転じた文在寅大統領
    再び「反日」に転じた文在寅大統領
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GSOMIAを再び終了するカードをチラつかせ...

   韓国政府のWTO(世界貿易機関)への提訴発表を、2020年6月2日付の聯合ニュース「韓国政府、輸出規制巡りWTO提訴手続き再開 『日本が解決意思見せず』」が、こう伝える。

「日本が昨夏から韓国に対して取っている輸出規制強化の措置を巡り、韓国政府は6月2日、WTOへの提訴の手続きを再開すると発表した。産業通商資源部の羅承植(ナ・スンシク)貿易投資室長は会見で『日本政府が問題解決への意思を見せておらず、懸案解決のための議論は進展していない。今の状況はWTOでの紛争解決手続きを停止する条件だった正常な対話の進行とは見なし難いと判断した』と理由を説明した」

   韓国政府はこじれにこじれた日韓関係に業を煮やし、昨年、日本による半導体材料3品目の対韓輸出規制強化は不当としてWTOに提訴。両国は2国間協議を行ったが平行線に終わった。そして、さらに日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了通告という禁じ手まで持ち出して日本に圧力をかけようとしたが、米国が待ったをかけた。しかたなく、WTOへの提訴手続きを停止。GSOMIAの終了通告も取りやめた。

   そのかわり、日本側の「誠意ある対応」を期待して、今年5月31日を最終期限とする回答を求めたのに、何の返事もなかったというわけだ。青瓦台(韓国大統領府)の高官は、GSOMIAを再び終了するカードを切ることも匂わせている。

WTO提訴発表を伝える聯合ニュース(2020年6月2日付)
WTO提訴発表を伝える聯合ニュース(2020年6月2日付)

   聯合ニュースは再び日韓関係が悪化すること心配する。6月2日付の「韓国が日本のWTO提訴再開へ 関係悪化避けられず」が、こう伝えている。

「韓国政府がWTOへの提訴の手続きを再開すると発表したことで、両国の対立が再び激しくなる様相を呈している。韓国政府は日本との対話を続けるとの立場だが、規制強化は日本企業に賠償を命じた韓国大法院(最高裁)の強制徴用判決に端を発するため、同問題の解決に見通しが立たない状況では、輸出規制を巡るあつれきも当分続くとの見方が出ている」

   さらに、

「日韓問題の専門家らは、日本の規制強化は韓国大法院の強制徴用判決に対する報復として始まったため、強制徴用判決問題に進展がなければ、日本が規制強化を撤回することはないと見る向きが多い。韓国大法院の賠償判決により差し押さえられた日本企業の資産が年内にも現金化される可能性があるため、それに対する備えとして日本側は規制強化を維持するとの見方だ」

と続ける。

   つまり、日本は賠償判決で差し押さえられた日本企業の資産が現金化された時のカードとして、規制強化を続けているというわけだ。一方、聯合ニュースは、安倍政権の「苦しい立場」を、こう推測している。

「安倍政権は新型コロナウイルスへの対応への不備などの理由で支持率が大きく落ちた状況にあり、当時(日本の世論から)支持を得た輸出規制をこの状況で撤回するのを避ける可能性がある」

   ここでうかつに輸出規制を撤廃すると、安倍政権の支持基盤である保守層から見放されるというわけだ。

見たか安倍さん、とG11サミット入りを誇る文大統領

韓国のG11入りが悔しい? 安倍晋三首相
韓国のG11入りが悔しい? 安倍晋三首相

   いずれにしろ、にっちもさっちもいかない泥沼状態に再び入るわけだが、こんななか、韓国メディアを大喜びさせるニュースが米国から飛び込んできた。トランプ大統領が6月1日、主要7か国首脳会議(G7サミット)に韓国、ロシア、豪州、インドも加える「G11」構想を打ちあげたのだ。

   今年11月の大統領選挙をにらんで、激しく敵対する中国包囲網を築く狙いであることは明らかだった。韓国にとって、アジア唯一のG7メンバーを誇っていた日本の鼻を明かすチャンスというわけだ。

   朝鮮日報(6月3日付)が「『韓国のG7正式参加は困難』とみていた日本、トランプにしてやられた」という小気味よさそうな見出しで、こう伝えている。

「トランプ大統領が今年9月に予定されている主要7か国(G7)首脳会議に韓国を招待したことについて、青瓦台(韓国大統領府)が『G11の正式メンバーになるということ』と説明した。『正式な参加国としての招待ではないはず』として必死にその意味合いを過小評価してきた日本の計算は複雑になった。青瓦台の姜珉碩(カン・ミンソク)報道官は『トランプ大統領の表現を借りれば、世界の外交秩序が古くさい体制のG7からG11へと転換する可能性が高まった状況だ』と説明した」

   朝鮮日報は気持ちよさそうにこう続ける。

「新たなアジア国家のG7参加を苦々しく思っていた安倍首相は、信頼関係に基づき『近い友邦』と考えていたトランプ大統領から不意打ちを食らう形になった。読売新聞や産経新聞など日本メディアによると、トランプ大統領はG7首脳会議の延期および参加国拡大方針について日本側と事前の調整はせずに発表したという。日本の外務省関係者は『発言の真意を把握しているところ』と産経新聞の記者に説明した」

   一方、文在寅(ムンジェイン)大統領政権に近い左派紙のハンギョレ(6月3日付)も、「ニュース分析:大統領府『G7参加は新体制のリーダー国への仲間入り』」で、文大統領の誇らしげな様子をこう伝える。

「大統領府は2日、首脳会議への出席が中国との対立を深めるという懸念は『あまりにも単純な考え』だと一蹴した。文大統領のG7会議出席が実現すれば、一回限りのオブザーバー資格ではなく、G11という新しい国際体制の正式メンバーになる。文大統領はトランプ大統領の招待に対し、『避ける必要は全くない、歓迎すべきことだ』と述べた」

   そして、むしろ心配すべき対象は中国より日本だというのだ。

「韓国がG11の正式メンバーになるまでは、越えなければならない山がある。G7体制でアジア唯一の参加国の地位を享受してきた日本が、韓国の進入を快く思わない公算が大きいためだ」

「任天堂ゲーム機を買って日本の右翼を喜ばせるな」

   さて、日韓の対立が懸念されるなか、日本製品不買運動は依然として収まっていないようだ。日本企業の撤退が相次いでいるのだ。中央日報(6月2日付)「日産・オリンパス・GU... 韓国を離れる日本企業」が次々と韓国を離れる日本企業の実態を紹介している。

「日産自動車が6月1日、韓国から撤収することを韓国日産の公式サイトで発表した。日産は不買運動の情報を提供するウェブサイト『ノーノージャパン』のリストに掲載されている。韓国輸入自動車協会によると、今年(1~4月)日産は813台、インフィニティ(編集部注:韓国では日産と別ブランド)は159台が売れたが、それぞれ前年同期より41%、79%減った数値だ。業界関係者は『日産は不買運動に耐える体力が弱かった』と話した」

   ファッション業界はさらに深刻だ。ユニクロの姉妹ブランドである「GU」(3店舗)とデサントのキッズブランドである「ヤングアスリート」(47店舗)も韓国市場から撤収を決めた。業界関係者は「特に、若年層世代から日本不買運動でブランドに対する反感が大きくなった」と語った。

「オリンパスもカメラ事業を6月末まで終了する。直営店とオンラインショッピングモールも廃店する。ただし、医療事業と科学ソリューション事業部門は韓国内市場で維持することにした。オリンパス関係者は『カメラ事業の収益性を向上するために努力してきたが、期待する成果の達成が難しかった』」と説明した」

   そして、中央日報はこう結んでいる。

「財界では今後も日本企業の韓国撤収が続くものとみている。日本産消費財に対する否定的な認識が根付き、代替材を見つけた韓国民の消費行動が変わっているためだ。(任天堂のゲーム機などごく一部の商品で売れている例があるが)必要に応じて特定の日本ブランドを購入する行為はやめるべきだという声が高まっている。誠信(ソンシン)女子大学の徐敬徳(ソ・ギョンドク)教授は『任天堂のゲーム機を買おうとする人が列をなしている姿を見て日本の右翼とメディアがどれほど嘲笑うだろうか。個人の選択は尊重するが、最低限の自尊心を守るようにもう一度考えてほしい』と話した」

(福田和郎)

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