きょうは40代後半のFさんです。何だか浮かない顔ですが、Fさんどうされましたか?「ここ数か月在宅勤務を続けていますが、仕事部屋に少し手を加えてみたり、座りやすい椅子を見つけたり、在宅勤務は快適で仕事自体はほぼストレスなく取り組んでいます。一点ストレスなのは妻なのですよね。子供も成人して、今は妻と二人で暮らしていますが、ご飯があきらかに手抜きなんですよね。週2回パートに行っているだけなのにですよ。『俺はこんなに毎日働いているのに、お前は家事だけやって、テレビ見て、お菓子食べて、休みのような毎日でいいよな』と嫌味を言っていたら、最近、会話が減ってきました......。これって、やばいかな」男性は気づいていない「名もなき家事」があるハッキリ言います!それは、ヤバいです。長年一緒に住んでいる夫婦でも、お互いのことに関しては、気がつかないことばかりです。その一つに家事があります。家事といえば、大まかに「料理」「洗濯」「掃除」に分かれますが、これらの3つのほかに、名前がついていない家事もたくさんあります。特にこれといった名前がないため「名もなき家事」と言われています。この「名もなき家事」の大変さに男性は気づいていないことが多く、奥さんに対して「やっているのは家事だけだろ」などと無責任な言葉を発してしまうようなのです。名もなき家事は、たとえばこんなことです。・トイレットペーパーの買い出し・調味料の補充・交換・排水溝の髪の毛の掃除・ゴミ出しまでの仕分けさらに、「ゴミ出し」だけでも、・ゴミを分別する・ペットボトルを洗ってラベルをはがす・缶を洗って潰す・生ゴミの水を絞る。水が漏れないように袋に入れる・ゴミをまとめるゴミを出す前に、これだけの工程があるんですよ。Fさん、知っていましたか?ゴミ出しを例に挙げましたが、「名もなき家事」は「たかが家事」とは言えないくらい、けっこう時間もかかり面倒くさいんです。そう考えると、定年後を機に家事をするようになってから、その大変さに気づくのでは遅いかもしれません。とはいえ、よくわからないのに手伝うと、逆に「余計なことばかりして」と、ため息をつかれることにもなりそうです。なにしろ、女性はトイレットペーパー1つ購入するのにもこだわりがあったりしますからね。中途半端に手伝うのではなく、奥さんに確認してから手伝いましょう。何気ないひと言が妻を傷つけている家事の同様、言葉によっても夫婦のズレが生じます。先ほどの「たかが家事」も、この一つです。たとえば、仕事で疲れた時に「家のことも手伝ってよ」と奥さんから言われたら、Fさんどう返事をしていますか?「なんで、俺は家庭のために一生懸命働いているのに、家のことまでやらないといけないんだよ」とか、「お前は稼いでないんだから、せめて家のことくらいやってよ」とか、「誰のおかげで飯が食えると思っているんだ」とか。まさか、Fさん。こんな言葉を返していないですよね。どうやら、心当たりがあるようですね。共働き夫婦が増え、男女平等とも言われていますが、日本ではまだまだ「家長制度」や「男尊女卑」という考えが残っているようです。Fさんも、無意識に家の中で奥さんを支配して、無意識に奥さんを傷つける言葉を発してしまっているのです。何気ないひと言が夫婦間の溝となり、積み重なり、定年を迎える頃には、修復不可能になっているかもしれません。言葉を発した本人は発したこと自体、忘れていることもありますが、言われたほうは意外と根に持っています。Fさん、何気ない言葉が相手を傷つけることを自覚してくださいね。逆に、言葉の使い方によっては、相手を幸せにすることもできます。A「結婚する前はきれいだったのに、今はまったく面影がない」B「毎日、きれいだね」Fさん、AとBどちらのひと言を使うと、夫婦仲がうまくいくと思いますか?もちろんBですね。人間は、気持ちのいい言葉をかけられると幸せになれます。いい言葉を伝えると、相手もいい言葉を返してくるものです。いい言葉は人を幸せにします。夫婦のズレを減らすためには、言葉の発し方がカギとなりそうです。Fさん、ぜひ言葉と家事を見直して、夫婦のズレを解消してみてください。(ひろ子ママ)
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