2024年 4月 26日 (金)

EU内の旅行解禁! ドイツ流ウィズコロナの夏休みの楽しみ方(神木桃子)

地元で過ごそうキャンペーンも

   そうは言っても、感染のリスクを気にしないわけにはいきません。今夏の休暇にコロナの影響はないのか、引き続きAさんに話を聞きました。

Aさん「子どもが小さく、ここ数年は遠方へ行っていないので、日本への一時帰国を見合わせたほかは影響ありません。7月と8月にお休みをとり、1週間は滞在型の国内旅行で、残りは家ですごし、家族との時間や趣味を楽しむ予定です。まわりも家族と過ごす、国内か隣国で旅行、旅行にはいかない休暇のスタイルが多いです」

   リサーチ会社YouGovが6月に実施したアンケート調査によると、ドイツでは87%の人が、コロナの影響で休暇の計画が制限を受けるだろうと答えています。具体的には「とても強く」(11%)、「強く」(22%)、「多少」制限をうける(54%)となり、制限をうけないと答えた人はわずか9%でした。

   その他の回答を見ても、休暇の予定は縮小、旅行先は近場を選ぶ傾向であることがわかります。海外旅行は、2018年にドイツ人の休暇旅行先の78%が海外だったというデータ(出典元:Die Welt)と比べると半分以下です。

出典:YouGov「Sommerurlaub 2020: Viele planen eine Nummer kleiner」より筆者作成
出典:YouGov「Sommerurlaub 2020: Viele planen eine Nummer kleiner」より筆者作成

   筆者の住むデュッセルドルフ市では、この流れを受け、自宅で休暇を過ごす市民に向けた広告キャンペーンを展開。「あなたの街で休暇を」をキャッチコピーに、ウェブサイトでは市内で楽しめるイベントやアクティビティを紹介しています。

キャンペーンポスター(引用:Landeshauptstadt Düsseldorf)
キャンペーンポスター(引用:Landeshauptstadt Düsseldorf)

   キャンペーンポスターには、街の象徴であるライン川を背景に、「ビーチへ行きましょう」とスペイン語で大きく書かれています。

   スペインは、ドイツでは人気の休暇先。川岸をビーチに見立て、スペインに「行ったつもり」になろうという主旨なのでしょう。「どんな状況であっても夏休みを楽しむ!」というドイツ人の熱い想いを感じずにはいられません。筆者も休暇シーズンは自宅ですごす予定なので、ライン川のビーチに出かけてみようかと思います。(神木桃子)

高橋 萌(たかはし・めぐみ)
高橋 萌(たかはし・めぐみ)
ドイツ在住ライター
2007年ドイツへ渡り、ドイツ国際平和村で1年間の住み込みボランティア。その後、現地発行の日本語フリーペーパー「ドイツニュースダイジェスト」に勤めた。元編集長。ドイツ大使館ブログでは「ドイツ・ワークスタイル研究室」を担当。サッカー・ブンデスリーガ大好き。日本人夫とバイリンガル育児に奮闘中。
Twitter: @imim5636
神木桃子(こうぎ・ももこ)
神木桃子(こうぎ・ももこ)
ドイツ在住ライター
島根県生まれ、東京・多摩育ち。物事の成り立ちを知りたいと大学では有機化学を専攻。小売業界でのオーガニック製品や地域産品のバイヤーを経て、2014年よりドイツに移住。「もっと心地よくグリーンな暮らしへ」をテーマに、ドイツのマーケット情報やトレンド、ライフスタイルについて執筆活動中。3歳になる娘と日本人の夫との3人暮らし。
姉妹サイト

注目情報

PR
コラムざんまい
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中