2020年 9月 19日 (土)

コロナ禍は「最悪」ではない 今の日本は「強い薬」の副作用で体力を消耗した患者のようだ(2)(小田切尚登)

家計を圧迫する固定費支出!保険の見直しで貯蓄率UPできるかも!?

   この世には、ごくたまに破壊的な事象が起きる。

   我々の想定の範囲を大きく超える天災や疫病、戦争、テロなどだ。このような事象を、我々は予測することはできない。突然の出来事の発生で甚大な被害が発生し、この世の終わりを感じさせるような悲惨な状況が現れる。

   このような出来事のことを「ブラックスワン」と呼ぶ。これはナシーム・タレブの同名の著書によって有名になった。

  • 新型コロナウイルスの「感染第2波」が日本を襲う
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日本のコロナ被害は欧米に比べて少なくない

   こう見てくると、新型コロナウイルスに対する政府の対応は過大であることがわかる。日本はコロナの感染による直接的な被害は、欧米諸国に比べてケタ違いあるいは二ケタも少ないレベルに抑えられてきた。

   しかし、人々の生活全般に関わる被害は欧米に負けないくらい深刻なものとなっている。飲食店や旅館業、旅行関係など多くの産業が瀕死の状態に置かれているのをはじめ、すべての国民が大変な被害を被っている。そのために政府は、何十兆円もの資金を投入している。

   今後、税収が大きく落ち込むことが予想されるので、財政はますますひっ迫するであろう。企業もとりあえずは給付金や無利息融資などで息をついているが、それが切れていくと倒産が急増していくのではないか。

   文化、芸術、スポーツ・・・についても「不要不急」に分類されてしまい、計り知れない悪影響を受けてしまっている。

   我々の生活は、常にさまざまな危険にさらされている。地震、台風、洪水、火山の噴火、交通事故、火災、原子力事故、テロなど、さまざまである。これらはどれをとってもブラックスワンになり得るものだ。

   この冬に何万人、何十万人の命を奪うような(新型コロナウイルスとは比較にならないような)破壊的な伝染病が発生するかもしれない。あるいは、関東大震災や東日本大震災のような大地震が明日にも起きるかもしれない。どこかの国が日本の領土を侵犯してくるかもしれない。

   本当の勝負はその時だ。その時に十分な資金力、人材、テクノロジー、軍事力、外交力などを発揮できるような体制をとれるかどうかが国の命運を決める。

小田切 尚登(おだぎり・なおと)
小田切 尚登(おだぎり・なおと)
経済アナリスト
東京大学法学部卒業。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバなど大手外資系金融機関4社で勤務した後に独立。現在、明治大学大学院兼任講師(担当は金融論とコミュニケーション)。ハーン銀行(モンゴル)独立取締役。経済誌に定期的に寄稿するほか、CNBCやBloombergTVなどの海外メディアへの出演も多数。音楽スペースのシンフォニー・サロン(門前仲町)を主宰し、ピアニストとしても活躍する。1957年生まれ、60歳。
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